2022年8月5日金曜日

「やさしさ」を知る

 立教大学渡辺憲司名誉教授の「やさしさを胸いっぱいに吸い込んで・・・」と題する文章に触れた。

 文中に、白血病で闘病中の広島カープのかつてのエース北別府投手が、コロナウイルス陽性反応の出た阪神タイガース期待の若手藤浪投手に贈った言葉が引用されていた。「運が悪いと思うなよ。申し訳ないと思うなよ。しっかり治して阪神ファンを、野球ファンをマウンドのうえから喜ばせて下さい。もちろん私もその姿を待っているし、復活する姿を見たいと思っていますよ。」というものである。白血病という苦しみの中にいることで、北別府さんの本当のやさしさが言葉になったのだと綴っている。

 「優しい」は、人の憂いと書く。憂いを共有できるのが人のやさしさなのだと説く。また、「やさし」の語源は「痩せる」だそうである。己の身を細らせる時に優しさが生れると云う。

 調停センター「ふらっと」が、やさしさの牽引者になれたらいいのにと感じながら読み進めた。

早川