今朝はわりと早起きでした。ゆうべ窓を開けたままだったからでしょう。
テレビをつけ、ゴロゴロしていました。そうすると、いつの頃からかピアノの音が聞こえてきました。とても悲しい調べでした。
それはベートーベンのピアノソナタ「月光」という曲でした。「ソナタ?」に引っかかりながらも、いつの間にかその悲しい調べに聴き入っていました。
「今の作曲家も著作権を放棄すれば、もっとみんなに聴いてもらえるのに。」
ふとそんなことを思い浮かべました。そうこうしているうちに曲は第3楽章。もともと私は曲の印象より技巧に感銘を覚えるたちで、技巧的に難しそうな調べに再び聴き入りつつも、威勢のよさや晴れやかさではなく、何か悲劇のクライマックスのような印象を持ち始めていました。
「ジョボジョボジョボ…。」
曲が最高潮に達しようかというその時、背後から老母のお茶を注ぐ音が聞こえてきました。ハッと我に返り、むっくり起き上がり、おはようも言わずにズルズルとお茶をすすりました。
同じ空気の振動だけど、曲の調べ、お茶を注ぐ音には、言葉を超えた何かがあるのかなあ・・・。
そんな何でもない日曜の朝でした。
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