2011年8月10日水曜日

被後見人とのコミュニケーション

調停人候補者の池谷(いけがや)です。勉強会の方もご無沙汰してしまい、大変申し訳ありません。ここのところ何度か体調を崩してしまい、まだまだ若いと思っていましたが、年齢を感じる今日この頃です。

後見業務を始めてから丸7年、数々の事件を受託してきました。被後見人の態様は様々、認知症の方、精神障害者、知的障害者など、中には植物状態の方もいます。
事件を受託してすぐにしなければならないのは、被後見人との面会。最初は親族の方または施設関係者の方と同行して面会します。その次またはしばらくしてからは一人で面会します。
最初はなかなか心を開いてくれません。中には会話ができるようになるまで2年近くもかかった例もありました。それも歯医者に何度も送迎し、生活用品を届けたりして、少しづつ話しができるようになりました。笑って私に話しをしてくれたときは本当に嬉しかったです。

いつも心掛けていることは、話しを聴くことです。話しを聴くことによって、少しづつ過去の出来事や自分の思いを話してくれるようになります。ADRの研修会や勉強会で、何度も傾聴のスキルを学びました。こういう実務の場面でもそれが大いに役立っていると感じています。
とかく最初の頃は、自分の持っている知識を話したがったり。また、時間がなかなか取れないので、先へ先へと進みたくなります。なかなか分かってもらえず怒りをぶつけてしまったことも何度かありました。

人の話しを聴くことは大変忍耐のいることです。ストレスもたまります。でも、被後見人が心を開いて会話ができるようになったときは本当に喜びを感じます。それが活力となり、次の事件受託への意欲につながると思います。

池谷 道男

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