2012年8月28日火曜日

シリーズ ~ “ふらっと”を支える人たち④

シリーズ4回目は「観察者」をとりあげます。

調停は「生もの」ですから、同じ内容の事案もなければ、解決までの過程もそれぞれ異なります。
したがって、「調停人」のトレーニングにとって最も効果的なことは、実際の調停を体験することにほかなりません。

しかし、“ふらっと”の調停は非公開が原則ですから、両当事者のほかに「調停人」や「事件管理者」以外は、調停を傍聴できないのが“ふらっと”のルールです。
非公開とすることで、当事者が安心して話し合いに臨むことができる環境を整備しているのです。

そこで“ふらっと”では、両当事者からの同意が得られることを条件に後日の“ふらっと”内部の研修資料として使用するための記録係を兼ね、「観察者」1名を調停に同席させています。
「観察者」の起こした記録を素材に、調停人名簿登載者を対象とする「事例検討会」を開催し、実例に基づいた詳細な振り返りを行っているのです。

無論、当事者や紛争の特定ができないための配慮に徹底していますし、「観察者」は調停におけるいわば“黒子”ですので、一切の発言も許されません。
両当事者と顔を合わせないように部屋の隅に陣取り、ただひたすら、調停が終了するまで記録を続けているのです。

中里

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