2009年7月23日木曜日

トレーニングの様子

 運営委員の登山です。よろしくお願いいたします。

 昨日は、本調停センターふらっとの指定研修機関の1つでもある「ADR研究会しずおか」の勉強会に参加してきました!
 調停人候補者は、その能力の維持向上のため、年間に一定の研修を受けることを義務付けられているのです。
 研修の内容ですが、専ら「体感」することが中心の参加型の研修であるため、時間の経つことを忘れさせてくれます。大体いつも、最初にアイスブレイク(直訳すると「氷を壊す」ですが、「緊張をほぐす」という意味です。過去ログに詳しく載っていますね。)を30分程度行い、その後にコミュニケーションスキルを中心として理論を勉強し、実際に体感し、感想を述べて新たな発見をする、といった具合に進んでいきます。

 さて、どうしてこういった研修が必要なのでしょう!?

 昨日の研修の中で、私なりに感じたことを述べさせていただきます。

 一般に、紛争の背景には、それぞれの当事者の、経験や考え方の違いが存在します。これを仮に「枠」とするならば、紛争当事者は、それぞれの枠で意見を主張する結果、共通点・合意点が見つからない、といった結果になることもある訳です。

 ここに第三者が介入する場合、1つの方法としては、1つの枠(たとえば法律とか、慣習とか)を用意して、その中で紛争当事者に決着をつけさせる方法があります。この場合、第三者としては、公正、明確な基準となる枠を用意することに心を砕く必要があるかと思います。

 しかしながら、調停センターふらっとの調停は、これとは別の方法をとります。それは、この方法には、悪く言えば、当事者の枠を無視することになる一面があるからです。当事者の枠を気にしていたら解決がつかない、ということもあるかもしれませんが、そこをあえて、選択した訳です。
 調停人は、当事者自身が、それぞれ相手方と枠が異なることを認識できるように手助けし、そのうえで、当事者双方が、どういった枠の中で決着をつけるのかを選択できるように手助けし、そこからようやく、解決に向けての話し合いのお手伝いをします。
 まさに、「黒子」です(笑)。
 そのため、調停人としてのトレーニングは、当事者の話を感情に流されずに聞くとか、当事者の話を否定せずに受け止めるとか、そういった「体感」するものとなる訳ですね。

 大変ですけれど、こういったトレーニングは、日々の業務、また、日常生活でも役に立つので、楽しみながら参加するのが、長続きのコツでしょうか(笑)。

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