2009年9月7日月曜日

コミュニケーションとしての非言語

委員の山田です。ワタシは日頃からとにかくよく喋ります。仕事でも,プライベートでも,べらべら喋っています。したがってコミュニケーションの方法としては,「言葉」に重点を置きがちです。

ところで,人とコミュニケーションをはかるために,言語に頼らない方法はあるのでしょうか?

確かにADRの研修においては,非言語によるコミュニケーションについて学びました。
しかし,日本国内で生活をしていると,「言語」が先に出てしまい,非言語コミュニケーションを体感する機会にはなかなか遭遇しません。

そこで,改めて思い出されるのが,海外旅行のときです。海外旅行に行けば,私のコミュニケーションのメインは「言語」から「非言語」に変わります(変えざるを得ない??)。

以前北欧を旅したときのことです。旅行中に船に乗ることになりました。そもそも日本人があまり訪れない国ということもあり,日本人はワタシを含めマニアックな内容の旅に賛同した数名のみです。

船が動き出してから,我々日本人の座っていたシートに,突然ドイツ人の方が同席することになりました。どうやら英語を話すことはできない方のようです。「誰かドイツ語を話せる人間はいないか?」お互い助けを求め合います(せっかくの旅なのだから,沈黙ですごすのはよくないだろうということです)。

・・結局大学の第二外国語でドイツ語を専攻していた私が,担当となりました。現在の私にとってのドイツ語の能力では「はじめまして」,「私の名前はヤマダです」,「こんにちは」,「おいしい」,「きれい!」,「さよなら」,「好き」,「はい」,「いいえ」ぐらいしか手持ちのカードがありません。

ドイツ人の方に早速,自己紹介をドイツ語ですると,「OH!」とばかりに目を見開き,早口のドイツ語で次々に話しかけられる状況となりました・・・が・・もはや理解不能・・。笑ってごまかし,その後,再び沈黙となりました。それでも,料理が出てくれば「おいしい」を使い,景色がきれいであれば「きれい」を使ってドキドキしながらも時が流れていきました。

それでも会話が続かない苦しさ(コミュニケーションが図れない苦しさ)から,恐らくこの船に乗るということは今夜さる場所で開催されるクラシックコンサートに行く予定に違いないと推測し,思い切って,「私,シベリウス(作曲家の名前)好き」と言ってみました。そうすると,ドイツ人の彼は,私がドイツ語をあまり理解できないことはわかったらしく,手や目,身振りを大きくしながらゆっくりとしたドイツ語で答えてくれました。言語は相変わらずよくわかりませんでしたが,ボディランゲージが入ると,とたんに彼が何を言いたいのかわかるように感じられました。・・そうか,これが非言語によるコミュニケーションなんだ・・。私も手やうなずきなどを交え,それに加えて限られたドイツ語カードを使いながらコミュニケーションをはかります。指で数字を示して,「交響曲*番が好き」と伝えたり,「この楽器の使い方が好き」と,楽器を演奏する真似をして伝えます。彼はそれに対して笑顔でうなづいてくれます。
そんなことで,結局,後半はボディランゲージを交えることで,充実した時間をすごすことができました。

その夜,コンサート会場で大きく手を振る彼の姿を発見しました。広いコンサートホールで,私を見つけてくれて手を振ってくれた彼の笑顔は非常に魅力的でした。

コンサート終了後,寂しいけれど,限られたドイツ語カードを彼に伝えました。
「アウフ,ヴィダーゼーン!」(さよなら,また会いましょう!)

今度は握手と笑顔という,ボディランゲージを添えて。

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