2017年2月1日水曜日

死にたいと言い続けることは良いことではないが役には立つ?

私の母はもうすぐ88歳になりますが、常に、「死にたい、死にたい」と言っています。
もう少し若い(といっても80歳前後)頃はもっと具体的に自殺とわからない方法で自殺するのだと(私だけに)言っており、それが私の悩みの種でした。

母は私にどうして欲しいのだろう、どうしたらいいだろうと考え、親しい親類が集まって飲み会をしているときに、自殺なんてしないでほしいと言って泣くという相当恥ずかしいことをしてみてからは有難いことに「自殺する」とは言わなくなったかわりに、あんたのために生きていてやっているのだと、くどくど言われますが、自殺すると言われるよりはましだと思い、「有難う感謝してるよ」と(そんなに優しくではありませんが)言っています。

死にたいなどと言い続けなくてもいつか必ず死ねるのですが母の場合それを言い続けたことで二ついいことがあったと思います。

ひとつははいい年をした(当時50歳ちょっとの)娘が親戚の前で「お母さん死なないで」と言って泣くなどと言う思い切り恥ずかしいことをしてくれたこと(我ながらなんていい娘なのだろうと思ってしまうのは、絶対そんなことはないとは思いたいけれど、少し母に似ているのかも知れません)
もうひとつは、その母が自分で話してくれたことですが、(いつも体のどこそこが死にそうに痛いと言っているにもかかわらず)いつもと違う体の変調を感じてひどく不安になりどうしようとうろたえかけたとき、そうだ自分は死にたいんだったと思い出して安心したということです。

言葉には力があると思います。
知り合いの医者が「寝付いてから10年は死なないぞ(死ねないぞ)」と恐ろしいことを言っていましたが、認知症になったり、寝付いたりする前に、「死にたい」ではなく、それを自分自身に向って言い続けることで生きる力になるような言葉を何とか見つけたいものだと思います。

                                                    田ノ上美津子

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