2012年7月2日月曜日

真夏のディスコミュニケーション


四季の存在する国であるところの日本に住んでいる私たちには、
季節に応じて様々な料理を食べる機会がありますよね。

寒くなったら鍋料理やシチューのような熱々の食べ物が、
暑くなったらそうめんやざるそばなどの冷たい食べ物が食卓に並ぶことでしょう。

ところで、私たちが他者とのコミュニケーションを図るとき、
その主たる手段は言語であるわけですが、
言語によるコミュニケーションは「使用する単語の意味が双方において同一である」こと
が前提となっています。
そして、我々が日常生活において会話をする際には、
そのことは当たり前すぎてほとんど意識されません。

ですが、時として、ある単語の意味するところが、
使用する人によって異なっていることが原因となって
コミュニケーション不全が生じることがあるのです。

私個人にとっての夏における最大のディスコミュニケーション。
それは・・・「冷やしラーメン」なのです。

ピンとこなかったあなた、
冷やしたラーメンの麺にキュウリや錦糸卵の細切りが載っていて
酢の効いた醤油味や胡麻味の汁がかけられているやつ、
あれは「冷やしラーメン」とは違いますよ。あれの呼び名は「冷やし中華」です。

「冷やしラーメン」というのは、
ふつうのラーメン同様にたっぷりのスープに麺が浸かっていて、
メンマやチャーシューが載せられている冷たい麺類のことです。
ちょっと調べたところ、発祥は山形県らしいのですが、
ここ数年、少しずつ全国に広まっているようです。

私はこの冷やしラーメンが好きでして、
夏になると無性に食べたくなるのですが、
「冷やしラーメン始めました」の貼り紙に誘われて入ったラーメン屋のメニューに
「冷やし中華」の写真が貼り付けられていたりすると、
天国から地獄に落とされたような気分になって、
仕方なく味噌ラーメンかワンタンメンを注文することになるのです。
なぜなら、私は「冷やし中華」が好きではないから。

スーパーで買い物をしようとすると、
大手の食品メーカーでさえ「冷やしラーメン」の名称で
「冷やし中華」を売っていたりしますので、
全国的には「冷やし中華」と「冷やしラーメン」は
意味が混同されてしまっていることが多いようです。

 さて、「ふらっと」における紛争解決手段は、「調停」なのですが、
この「調停」は裁判所における「調停」とは随分と異なるものなのです。
ところが、どちらも呼び方は「調停」ですので、「ふらっと」の調停手続が
裁判所で開催されるものだと勘違いされる方もいらっしゃいます。
そこで、私がふらっとの手続を説明するときには、
「裁判所の調停」「ふらっとの調停」という具合に呼び方を使い分けています。

今はまだ「冷やしラーメン」程度の知名度しかなく、
「裁判所の調停」と混同されがちな「ふらっとの調停」ですが、
いつかは「冷やし中華」くらいにメジャーな言葉にしたいものです。
味噌ラーメンを啜りながら、そんなことを考えるのでした。
 
調停人候補者 竹下

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