“ふらっと” の売りのひとつが「話し合いによる解決」。
訴訟により解決策を押し付けられるのではなく、自分たちで解決策を模索したいというニーズに応えていこうというのが、“ふらっと” の理念でもあるわけだ。
私自身、受任事件について訴訟ではなく “ふらっと” を選択したケースが数件ある。
このときの選択の基準は、やはり「話し合いによる解決」を依頼者が希望したという理由もないわけではないが、むしろ「話し合いによる解決」を選択せざるを得ない状況だったことの方が大きい。
というのも、訴訟に勝つためには「立証責任」というハードルがある。
事案ごとにいくつかの立証というハードルをきれいに飛び越えて判決というゴールにたどり着かなければならないわけだが、途中、ひとつでもハードルを倒してしまう(つまり、立証に失敗する)と、負け判決を甘受しなければならない・・・ これが、訴訟の基本ルールだ。
“ふらっと” を選択した事案は、いずれも証拠がなく、立証責任を果たすことが極めて困難な事例ばかり。もちろん、和解狙いの訴訟選択もありうるが、相手が和解に応じない場合には、負け判決が下される可能性が高い事案だった。
訴訟の勉強をしていると「うまく負ける」なんて言葉を耳にするが、私たちは、いわば負け方の一手段として “ふらっと” を選択するケースもあるのだ。
(中里)
2015年10月19日月曜日
リスク管理って難しい!!~やぐら鶴
2カ月に1度、静岡県青年司法書士協議会主催、
Rcafeしずおかという勉強会が開催されています。
Rcafeしずおかはコミュニケーションと、メディエーションを
勉強する会です。”ふらっと”の行っている調停スタイルですね。
10月16日は日本大学堀北哲也教授と獣医師の柴田正志先生
をお呼びして「やぐら鶴」というゲームを行いました。
やぐら鶴はチームビルディングを学べるゲームです。
このゲーム、チーム戦で勝敗を決めることになるのですが
奥が深くて、何度経験しても勝てません(泣)
経験が有利に働くこともあれば
思い込みを生み、不利に作用することもある
チームワークよく準備が万端だとしても
予期せぬアクシデントは必ずある
リスク管理をどうするかが課題
情報の共有と精査
短時間の中でどのように声掛けをし合うかが重要
来年も二人の先生をお呼びして「やぐら鶴」を
開催する予定です。
ぜひみなさん、ご参加してみてください!
副センター長 芝知美
2015年10月15日木曜日
ふらっとに関わって学んだこと
調停センター“ふらっと”が法務省の認証を取得し設置されたのが平成21年、早いもので足掛け7年となりますね。
前身であったADR研究会から“ふらっと”開設当初にかけて、多くの勉強会に参加し、また、実際の事件も担当させていただきました。応諾者の方からかなり厳しい口調で延々と電話で怒鳴られたことも今では懐かしい思い出です。
この経験から多くのことを学びました。特に「傾聴スキル」と「コミニュケーション能力」を学んだことが一番大きかったと思います。その後の実務に大いに役立ったことは間違いありません。
「傾聴」は日常、事務所で相談を受ける場面、また、市民相談や各種相談会などで大いに役立っています。相手との信頼関係が構築され、相手をしっかり理解できることによって、相談の本質も分かってくるようになりました。
「コミュニケーション能力」についても、後見活動で被後見人やその家族と意思疎通を図り、より良い関係を作りたい場面で役に立っているし、また、各方面いろいろな業種の方との話し合いの場面でも大いに役に立っていると思います。
“ふらっと”は現在、ベテランの方、中堅の方、新入の方など多くの方が運営、活動されていると思います。これからも大いに活躍されることを期待します。
いけがやみちお
2015年10月9日金曜日
公開メディエーショントレーニング
9月末の土日、東京で司法書士による調停の研修会があり、私は事務方として運営に関わりました。この研修会、複数の事案が用意され、参加者がそれぞれ調停人役、申込人役、相手方役になって調停の模擬を行うもので、役作りの部分から時間をかけて真剣に取り組んだため、参加者は本物の調停に近い経験をすることとなりました。
こうした研修に参加すると、普段使っていない脳のどこかが稼働するのか、頭の中が非常にざわつく感じがします。「話し合い」についてとか、自分に何ができるかなど、考えてもすぐには答えの出ないようなことをいろいろ考え、その考えが頭の中をぐるぐる回っている感じで、そんな状態が2、3日続いたりします。
調停の当事者にも同じようなことが起こるのかな、と思います。
話し合いをする前は、いかに自分が正しいか、いかに相手が間違っているか、という主張に終始します。でも調停の場でどこかのスイッチが入ると、自分に出来ることを一生懸命考えるようになります。「自分が絶対正しい」と思っているうちは、そんなことは考えようともしなかったはずで、その思考の変化が、問題の解決に向けて合意を形成する土台になるのかな、と思います。
調停のことをつらつらと綴りましたが、当センターで行っている調停がどんなものなのか、一般の方にはなかなかイメージしにくいかもしれません。
このHPにも案内がありますが、当センターでは11月3日(祝日)、一般の方向けの研修会「公開メディエーショントレーニング」を開催します!興味のある方は是非ご参加ください。 (いぐち)
こうした研修に参加すると、普段使っていない脳のどこかが稼働するのか、頭の中が非常にざわつく感じがします。「話し合い」についてとか、自分に何ができるかなど、考えてもすぐには答えの出ないようなことをいろいろ考え、その考えが頭の中をぐるぐる回っている感じで、そんな状態が2、3日続いたりします。
調停の当事者にも同じようなことが起こるのかな、と思います。
話し合いをする前は、いかに自分が正しいか、いかに相手が間違っているか、という主張に終始します。でも調停の場でどこかのスイッチが入ると、自分に出来ることを一生懸命考えるようになります。「自分が絶対正しい」と思っているうちは、そんなことは考えようともしなかったはずで、その思考の変化が、問題の解決に向けて合意を形成する土台になるのかな、と思います。
調停のことをつらつらと綴りましたが、当センターで行っている調停がどんなものなのか、一般の方にはなかなかイメージしにくいかもしれません。
このHPにも案内がありますが、当センターでは11月3日(祝日)、一般の方向けの研修会「公開メディエーショントレーニング」を開催します!興味のある方は是非ご参加ください。 (いぐち)
2015年10月2日金曜日
ある会社の視察にて
先日、お客さんをすごく大切にし、またそこで働く人もすごく楽しそうに働いている会社があるということで、地元の人たちと、その会社の視察に行ってきました。
行ってみたら、確かにすごい!!
会社の玄関には、「ここに来てくれた人が私たちの会社にとって最も大切な方です」と書いてあり、社員みんなでお出迎え、大きな声での挨拶はもちろん、視察に来た人の1人1人の名前が玄関に貼られ、スリッパや出されたおしぼりにまで1人1人の名前が刺繍されてありました。
また、朝礼も見せて頂いたのですが、誕生日の社員の人には、他の社員全員からバースデーカードが朝礼中に手渡しで渡され、全員からおめでとうコール! 社員の方の照れくさいjけどうれしそうな表情がとても印象的でした。
帰るときもまた社員の方にお見送り頂き、その時はバスで行ったのですが、バスが見えなくなるまで社員みんなが手を振ってくれていました。、
帰りのバスの中でも、同行した人みんなが「すごかったね」「感動した!」「みんな楽しそうに働いてるよね」「うちの会社もああなったらいいな」など、この会社の話題で持ちきりでした。
この会社は静岡県外にあります。会社の人たちからすれば、もしかしたらもう2度と出会うことがない人かも知れない、取引があるお客さんでもない、だけどそんな1人のために心を配れる人たちがいる。視察だからと言えばそうなのかもしれませんが。「社長から言われたから」のような義務感ではなく、本当のものであるように自分には思えました。
本当にすごいと感動したし、一期一会ってこういうことをなのかなと思いました。
振り返って、自分はこんな気持ちでお客さんと接しているのか、本当に一期一会の気持ちで仕事をしているのか、単なる事務手続になっていないかなど、すごく考えさせられるいい経験をさせて頂きました。また改めて気持ちを入れて仕事をしていこうと思いました。
佐藤圭
行ってみたら、確かにすごい!!
会社の玄関には、「ここに来てくれた人が私たちの会社にとって最も大切な方です」と書いてあり、社員みんなでお出迎え、大きな声での挨拶はもちろん、視察に来た人の1人1人の名前が玄関に貼られ、スリッパや出されたおしぼりにまで1人1人の名前が刺繍されてありました。
また、朝礼も見せて頂いたのですが、誕生日の社員の人には、他の社員全員からバースデーカードが朝礼中に手渡しで渡され、全員からおめでとうコール! 社員の方の照れくさいjけどうれしそうな表情がとても印象的でした。
帰るときもまた社員の方にお見送り頂き、その時はバスで行ったのですが、バスが見えなくなるまで社員みんなが手を振ってくれていました。、
帰りのバスの中でも、同行した人みんなが「すごかったね」「感動した!」「みんな楽しそうに働いてるよね」「うちの会社もああなったらいいな」など、この会社の話題で持ちきりでした。
この会社は静岡県外にあります。会社の人たちからすれば、もしかしたらもう2度と出会うことがない人かも知れない、取引があるお客さんでもない、だけどそんな1人のために心を配れる人たちがいる。視察だからと言えばそうなのかもしれませんが。「社長から言われたから」のような義務感ではなく、本当のものであるように自分には思えました。
本当にすごいと感動したし、一期一会ってこういうことをなのかなと思いました。
振り返って、自分はこんな気持ちでお客さんと接しているのか、本当に一期一会の気持ちで仕事をしているのか、単なる事務手続になっていないかなど、すごく考えさせられるいい経験をさせて頂きました。また改めて気持ちを入れて仕事をしていこうと思いました。
佐藤圭
2015年9月23日水曜日
非言語コミュニケ―ションと信頼関係
去る9月11日から9月13日までの三日間、地元の祭りに参加しました。
私の地元の浜松市浜北区宮口のこの祭典は、全部で屋台が9台も終結する、この地域でも規模が大きいもので、三日間屋台を引き回すので正直体はボロボロです。
4年前、私と私の旧知の友人と二人で若連の組長と副組長を担いました。事前の準備は当然ですが、一番の大仕事は当日の屋台の運行支持です。拍子木を打って屋台の出発や停止の指示、拍子木を傾け屋台の舵を切る、拡声器を使っての支持等です。
正直、かなり面白かったです(笑)
自分の支持一つで数十人のメンバーが一斉に行動を開始するなど普通ありえませんから。
ただ、ホントに細かい部分や屋台の舵を切る微妙なタイミング、突発的な事柄に対する対応などは、殆どがジェスチャーやアイコンタクトです。(お囃子や太鼓の音で支持が届かないこともあるので)
特に舵を切るタイミングなんてチョット誤れば屋台は田んぼの中に落ちてしまって大事故です。
このジェスチャーやアイコンタクトが成立する条件って、普段からの相互の信頼関係なんだと思います。相手を信頼する、相手から信頼されるって、すごく難しいですが、人間関係で一番大事なことだと感じました。
三日間の祭りを終えた後、若連のメンバーから(労を労う意味で)胴上げされたのですが、感動もんでした。
(池谷大介)
2015年9月17日木曜日
何故話し合うの?
9月6日、「法と教育学会~子供の法意識・法知識と法教育」が早稲田大学で開催されました。
私は、小学校~高校における様々な法教育の研究・実践を発表する分科会に参加しました。実際におこった事案を題材に、異世代の意見の相違を確しどう考えていくかで話し合った事例等が発表されました。
一例をあげます。
所沢市での住民投票となった、学校にエアコンはいるのか?の事案
大人の意見: 子供は(暑さ)我慢するものだ。
私たちはそうしてきた。
税金の無駄遣い。
子どもは外で遊ぶものだ。
大人の意見: 子供は(暑さ)我慢するものだ。
私たちはそうしてきた。
税金の無駄遣い。
子どもは外で遊ぶものだ。
子どもの意見: 入間基地の騒音がうるさくて、勉強に集中できない。
学校は勉強するところだ(快適な環境)。
子どもには、我慢させて、大人はどうなんだ?
話合い後の感想:答えを出すことが大事なのではない。
話し合うためのルールに気づくことで、円滑に話合
いができる。
自分たちがどのような立場に置かれているかを理解
でき相手の立場についても理解できる。
答えを出すための話合いから、何故私たち話し合っているの?と視点が変化し、互いを理解しようすることが、問題解決の入口なのだなと感じました。それぞれの立場で、一つの問題も違う見え方となりますが、相手の考えや思いを知ることで、景色が変わってくるのでしょうね。
まさしく、ふらっとの趣旨ですね。
「私たち、何故話し合うの?」と問い直してみたら日々の景色も変わるかな?
「法と教育学会」は、小・中・高等学校における法教育、大学法学部における法学教育、法科大学院・司法研修所における法曹教育、そして法律専門家に対する研修・教育のあり方について総合的に研究し、 それを教育の現場で実践するため、法学、教育学またはこれらの関連分野における研究 もしくは実務に携わる方の研究上の連絡・協力を促進することを目的とした学会です。 (法と教区学会のHPより)
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