2014年7月14日月曜日

たゆたえども沈まず


人生よいことばかりではないですよね・・・

 
と、いきなり始めましたが、私が今、絶望の縁に立っているというわけではありません。

Fluctuat nec mergitur

「たゆたえども沈まず」という意味のラテン語で、フランス・パリ市の紋章(帆掛け船)に書かれています。

古来、パリの中心部に大きな勢力を持っていたセーヌ川水運組合の紋章にラテン語で書かれていた言葉です。
 
たゆたう(揺蕩う)
『ゆらゆらと揺れ動いて定まらない。ただよう。』[広辞苑]

どんなに自然が猛威を振るってセーヌ川の波に船が揺さぶられたとしても、船は沈まない、沈ませてなるものかという船乗りの心意気を表しています。

誰にでも逆境に立たされることがある。そんなときは、あがいていい、もがいていい。沈まぬように、潰れぬように気をつければ、必ず乗り越えられる。

取り返しのつかない(と思えるほど)大きなミスをしてしまったときなど、自分なりの崖っぷちに追い込まれたとき、私はこの言葉を思い出します。学生の頃、フランス語の辞書(私はフランス語を専攻していました)の表紙に「Fluctuat nec mergiturと自分で書いたこともありました。
 
我慢に我慢を重ねて、あるとき耐え切れなくなってポキリと折れてしまわぬよう、ゆらゆらと揺れ動く帆掛け船のように。

我々司法書士や弁護士などの「士業」においても自死が問題になっているという話を聞いて、思いました。
                                                       増田真也

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