2011年5月19日木曜日

肩狐狸庵ICHIのグタグタ・ヌボー

私の庵(事務所)は、静岡県東部の中核都市、富士市の閑静な住宅街の端にある。

大震災の影響による自粛ムードのためか、はたまた計画停電による消費者心理の低迷のためか、それとも立地のためか、私の庵は閑静な時を過ごしている。

当初の予定がキャンセルとなり、まったく予定がないGWを過ごしていた。本当に予定のない休日ほどグダグダな日はない。何かをしようにもまったくといって手につかない(いつものことじゃん!という突っ込みは無視!)。ただただヌボーっと、TVから垂れ流される情報を右から左に流すのみの生活だった。

そらなら何も頭に残らないのかといえば、さにあらず。人災による原子力発電所事故、ユッケによる食中毒、ソニーの情報漏えい事件、沢尻…はいいとしても、ヌボーっとした頭の中には、なぜか嫌なニュースばかりがしこりのように残る。

「やだねー。本当に日本はどうなっちゃうのかしら」と、つい口にだしていると、トキの産卵がどうのというニュースが飛び込んできた。

トキというと、私はさだまさしの「前夜~ニッポニア・ニッポン」という詩を思い出す。

その歌詞の中では、「日本古来種であるトキが七羽に減った」という記事を見た夫が妻に話かけるが、相手にされない。
夫はそんな小さな事より、妻にはむしろ「明日の僕たちの献立の事が気がかり」なのだと自分を納得させる。

次の歌詞では、夫が妻に「最近アメリカに憧れている日本人が増え、周りの友人も皆アメリカ人になってしまった。いつかこの国はなくなるんじゃないの」と話しかけると、妻に「そんな風に変わっていく姿こそこの国なのよ。そうじゃなきゃ初めから日本なんて国はないのよ」とたしなめられる。夫は「そうだね、嫌なことは全部切り捨てて、こんなに便利な世の中になったしね」と相槌を打つ…

1982年のアルバム収録曲である。

あれから20年(きみまろ?)。結局、日本古来種のトキは絶滅し、さらに、さらに便利な世の中になったが、日本人がアメリカ人にはなっていなくても、相変わらず私たちは自分のことで忙しい。
計画停電の闇の中で、少しくらい不便でも楽しいと思ったことも、当たり前の日常の中でもう忘れかけている。

もしかしたら私はフランス人には、なってしまっているかも… ボンソワール…って!?

相変わらず、グダグダな日々が続く…

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