2012年7月30日月曜日

先日受けた相談より

先日、知り合いの社長さんより事業継承の相談を受けました。
 高令になってきたので、社長交替を後継者に申し出た所、社長交替と共に株も譲渡されてしまった、株の譲渡は予定してなかったので、その旨後継者に伝えた所「株も譲渡する」と言ったので手続きをしたと返事をもらった。「言った」「言わない」の争いになってしまったので、どうしたらいいかと言う内容でした。
 この相談を受けた時、自分はすぐに法律的にはどうしたらいいかと言うことを考えたのですが、妻にこの件を話した所「相手の言うことをしっかり聞いたの?」と言われてしまった。「後継者に裏切られたと言う社長の思いを聞いたの?」 正直の所、法律的解決を優先させ、相手の思いは半分位しか聞いていないことに気づきました。「相談者の思いを聞く」簡単なようで難しいですね!!

                                                    佐藤 寛

2012年7月24日火曜日

人権に関する講習会から

先日、県主催の人権に関する講習会を受講しました。同和問題を始めとする差別、学校や職場でのいじめなど、人権に関する問題は法務省、都道府県などでも積極的に取り組んでいます。
講習会での1コマ、「人権の基礎的な力をつける」から一部内容を紹介します。
キーワードが4つ、それぞれ次のように説明しています。

①「自尊感情」(自信)

 自分を否定するのではなく肯定的に認め、自分を価値のあるものとして思えるようになることである(あるがままの自分を受け入れる)。
 そして、自分の立場と自分の生き方に「誇り」をもてるようになること。

②「コミュニケーション能力」(安心)
人の話や気持ちを聞いたり、質問したりする力である。そして、自分の気持ちや意見をはっきりと、相手への配慮を忘れずに表現する力である。
こうしたコミュニケーション能力は、ちがう文化や立場をもった人々と接する上でも大切である。

③「非攻撃的自己主張」(自由)
 相手を傷つけず尊重しながら自己主張するということであり、わかりやすくいえば「わたしはこう思う」ということである。
 相手に対する尊重の態度をもちながら素直に自分を表現することはなかなかむずかしいが、大切な技能(スキル)である。

④「協力できる力と仲間づくり」(参加)
 人と協力できる態度や技能を育てることである。共通の目標に向かって協力しあう活動の中で、仲間の立場に気づき、助け合いや思いやりの態度を育てる。そして、自分がその集団の価値ある構成員であることを実感し、協調性を育み、相互依存という認識をもちはじめる。

以上紹介しましたが、ふらっとの活動、メディエーションと共通するところがたくさんありますね。

調停人候補者 池谷 道男

2012年7月20日金曜日

いつでも、どこででも

「どや?」


「ふや」


小学校のとき、担任の先生が、一番短くて情景が浮かんでくる

素晴らしい詩だと教えてくれた。

「どこへ行くの」「お風呂屋さんだよ」という意味だ。



幼稚園のときに見た一番言葉の少ない紛争解決の場面。

疲れて他人の車に手をついたおじいさんが(たまたま折りたたみの傘を

持っていた。)、車の持ち主Aに傷がつくじゃないかと怒鳴られていた。

をこに通りかかったBさん。

A「車に傷をつけたな××○・・・」

B「まあ、まあ、まあ、まあ」 両手を前に大きく突き出して制止するように。

A「だって、こないだ○○××・・・」

B「いいから、いいから」前に突き出した両手を大きく上下に振って。

A「なんだ××・・・」

B「まあ、まあ、まあ、まあ」

A「しょうがないなぁ~もうやるなよ」

おじいさんがうなづく。



「まあ、まあ」と「いいから」だけで場がおさまった。



今、ふと思い出し、Aさんは、言いたいことを全て話し、Bさんは傾聴し、

最後に合意があったのかと考えてしまった。



少し前の昭和の出来事でした。

                                      管理人 橋本

2012年7月17日火曜日

テニスボールで通う心

友達に誘われて、小学校から始めた硬式テニス。以来、中学校・高校時代は毎日しごきの特訓。大学に入って、楽しめればいいなと入ったテニスサークルは、実は体育会系並みのサークルでやっぱりハードな練習に明け暮れていた。運動音痴の私は、走り込みをやってもいつもビリ、それでも、テニスは大好きだったなあ、などと思い出にふけりながら、姪の軟式テニスの大会を見に行った。


今のテニスコートは、カラフルである。昔昔、テニスウエアーは、基本白一色だったが、紫、黒、オレンジ、ブルー、黄色と色とりどり、各中学校のおそろいのウエアーで揃えている。もう時代遅れになっちゃったな と思いながら、姪のコートへと。

軟式テニスは、ダブルスのみであり、ふたりの実力とどれだけペアと息を合わせて動けるかが勝負を決める。右に左に、前に後ろに走りながら声を掛け合って、二人の息を合わせていく。前衛がボレーやスマッシュを決めると、ナイスショット!と駆け寄り、互いのラケットをかちっと合わせ、笑顔を交わす。後衛が、鋭いリターンを決めるとナイスリターン!と笑顔を交わす。逆に、失敗をすると、どんまい、と駆け寄って肩をたたく。

応援をする仲間も、一緒に試合に参加している。学校毎に、エールがあり、ポイントが決まる度に、声をかけている。試合に負けてしまったペアに、仲間達が、声をかけている。相手のチームにも、声をかけている。

 姪は、2年半、朝練、夜連、土日の部活を休むことなく頑張ってきた。練習しても練習しても、思うように上達せず、へこむこともあったけれど、精一杯、走り回り、仲間と過ごしてきた。君の流した汗と涙はきらりと光る宝物になる。

 ファイト!!ファイト!!君のファイトに拍手!!拍手!!君の頑張りにもう一回拍手!!

                          御 室

2012年7月2日月曜日

真夏のディスコミュニケーション


四季の存在する国であるところの日本に住んでいる私たちには、
季節に応じて様々な料理を食べる機会がありますよね。

寒くなったら鍋料理やシチューのような熱々の食べ物が、
暑くなったらそうめんやざるそばなどの冷たい食べ物が食卓に並ぶことでしょう。

ところで、私たちが他者とのコミュニケーションを図るとき、
その主たる手段は言語であるわけですが、
言語によるコミュニケーションは「使用する単語の意味が双方において同一である」こと
が前提となっています。
そして、我々が日常生活において会話をする際には、
そのことは当たり前すぎてほとんど意識されません。

ですが、時として、ある単語の意味するところが、
使用する人によって異なっていることが原因となって
コミュニケーション不全が生じることがあるのです。

私個人にとっての夏における最大のディスコミュニケーション。
それは・・・「冷やしラーメン」なのです。

ピンとこなかったあなた、
冷やしたラーメンの麺にキュウリや錦糸卵の細切りが載っていて
酢の効いた醤油味や胡麻味の汁がかけられているやつ、
あれは「冷やしラーメン」とは違いますよ。あれの呼び名は「冷やし中華」です。

「冷やしラーメン」というのは、
ふつうのラーメン同様にたっぷりのスープに麺が浸かっていて、
メンマやチャーシューが載せられている冷たい麺類のことです。
ちょっと調べたところ、発祥は山形県らしいのですが、
ここ数年、少しずつ全国に広まっているようです。

私はこの冷やしラーメンが好きでして、
夏になると無性に食べたくなるのですが、
「冷やしラーメン始めました」の貼り紙に誘われて入ったラーメン屋のメニューに
「冷やし中華」の写真が貼り付けられていたりすると、
天国から地獄に落とされたような気分になって、
仕方なく味噌ラーメンかワンタンメンを注文することになるのです。
なぜなら、私は「冷やし中華」が好きではないから。

スーパーで買い物をしようとすると、
大手の食品メーカーでさえ「冷やしラーメン」の名称で
「冷やし中華」を売っていたりしますので、
全国的には「冷やし中華」と「冷やしラーメン」は
意味が混同されてしまっていることが多いようです。

 さて、「ふらっと」における紛争解決手段は、「調停」なのですが、
この「調停」は裁判所における「調停」とは随分と異なるものなのです。
ところが、どちらも呼び方は「調停」ですので、「ふらっと」の調停手続が
裁判所で開催されるものだと勘違いされる方もいらっしゃいます。
そこで、私がふらっとの手続を説明するときには、
「裁判所の調停」「ふらっとの調停」という具合に呼び方を使い分けています。

今はまだ「冷やしラーメン」程度の知名度しかなく、
「裁判所の調停」と混同されがちな「ふらっとの調停」ですが、
いつかは「冷やし中華」くらいにメジャーな言葉にしたいものです。
味噌ラーメンを啜りながら、そんなことを考えるのでした。
 
調停人候補者 竹下