2011年8月29日月曜日

【無料】 市民公開講座のご案内 

”ふらっと”では定期的に市民公開講座を開催しています。

今年は東京工業大学教授猪原健弘先生をお招きして

「交渉を科学する!~win-winとはなにか?~」

と題した講演+ワークショップを開催します。

平成23年9月3日(土)13時から 

静岡県司法書士会 

4階 大会議室 

参加費無料どなたでも参加できます。※事前予約が必要です。


お申込みは、

①下記の申込書をダウンロードしていただくか

http://www.s-flat.net/20110903.pdf


②E-mailでお名前、ご住所、電話番号を

お知らせください。

adr@s-flat.net


猪原先生は「価値システム専攻」

とよばれる学問を研究されている先生です。

「価値システム専攻」とは


私たちが日ごろ取り組んでいる「交渉」または「メディエーション」

を数理を用いて分析していきます。

全く違う角度から私たちの思考を検討する新しい講座です。

2011年8月10日水曜日

被後見人とのコミュニケーション

調停人候補者の池谷(いけがや)です。勉強会の方もご無沙汰してしまい、大変申し訳ありません。ここのところ何度か体調を崩してしまい、まだまだ若いと思っていましたが、年齢を感じる今日この頃です。

後見業務を始めてから丸7年、数々の事件を受託してきました。被後見人の態様は様々、認知症の方、精神障害者、知的障害者など、中には植物状態の方もいます。
事件を受託してすぐにしなければならないのは、被後見人との面会。最初は親族の方または施設関係者の方と同行して面会します。その次またはしばらくしてからは一人で面会します。
最初はなかなか心を開いてくれません。中には会話ができるようになるまで2年近くもかかった例もありました。それも歯医者に何度も送迎し、生活用品を届けたりして、少しづつ話しができるようになりました。笑って私に話しをしてくれたときは本当に嬉しかったです。

いつも心掛けていることは、話しを聴くことです。話しを聴くことによって、少しづつ過去の出来事や自分の思いを話してくれるようになります。ADRの研修会や勉強会で、何度も傾聴のスキルを学びました。こういう実務の場面でもそれが大いに役立っていると感じています。
とかく最初の頃は、自分の持っている知識を話したがったり。また、時間がなかなか取れないので、先へ先へと進みたくなります。なかなか分かってもらえず怒りをぶつけてしまったことも何度かありました。

人の話しを聴くことは大変忍耐のいることです。ストレスもたまります。でも、被後見人が心を開いて会話ができるようになったときは本当に喜びを感じます。それが活力となり、次の事件受託への意欲につながると思います。

池谷 道男

2011年8月4日木曜日

オープン・エンデット・アンサー?

何といっても昭和のおばちゃま達は、会話の達人である。
携帯電話もパソコンもなかった時代、彼女達の口は、情報伝達手段の
かなりの部分を占めていたであろう。 ご近所に誰がいて、どこに勤め
ていて、係長に昇進したらしい…なんて、今では、個人情報だと言われ
てしまいそうな事柄なんて朝飯前。おばちゃま達の頭の中には、ご近所
の間取りや、夜どこで休んでいるか、ついでに晩御飯のメニューだって
インプットされていたに違いない。だから、有事にはちゃんと助け合えた
し、子供たちだって地域で見守っていたのである。

先日、家庭裁判所で、意思能力が低下した方の面談があった。
Q「70円のパンと100円牛乳を買うといくらになりますか?」
A「170円」
Q「では、100から7を引くといくつですか?」
A「93」
すごい!できるじゃないの?と思った瞬間
Q「100引く7引く8は?」
A「ろくじゅうなんぼかな~」
Q「そうですか?」
A「違った、はちじゅうなんぼだねぇ。」
Q「いくつですか?」
部屋の中が、一瞬凍った感じがした。そのとき
 「今は、レシートにちゃんと書いてあるから心配しなくても大丈夫よ!」
とのお答えと、にっこりと相手を包み込むような笑顔が。

きっと、私だけでなく、目の前の調査官だって、心の内では拍手を送って
いたに違いない。残存能力の確認とはいえ、人生の大先輩に失礼な質問
をしてしまった。クローズド・クエスチョン(イエスかノーで答えられる質問)
に見事にオープン・エンデッド・アンサー?で答えた昭和のおばちゃまの
会話力に心から拍手を送りたいと思った。こんなことがあるから人間って
魅力的で、好きにならずにはいられないのですね?
                                        橋本

2011年8月1日月曜日

愛し合ってるかぁい?

 こんにちわ 御室です。
 久しぶりに、家族とドライブでもと計画していた週末が雨模様となり、家でのんびりしようということになった。


 おまけのようなぽっかり空いた時間、映画好きの友人が、是非観なさいと貸してくれたDVDも溜まっているし・・・


と映画を観ることにした。手に取った一枚、題名が「今度は愛妻家」・・・うーん、日本映画かあ・・・出演は・・・うーん、トヨエツと薬師丸かぁ・・・友人は強く勧めていたけれど・・・他のはちょっと重そうだし、まあ取りあえず観てみよう。と、大して期待もせずに観始めた。


 トヨエツと薬師丸演じる夫婦は、結婚10年を迎え、沖縄旅行へ行くが二人の時間を楽しもうとする妻を夫は面倒がって相手にしない。旅行から帰ってきても元売れっ子カメラマンの夫は、ろくに仕事もせずに怠惰な生活を送っている。口うるさい妻が、ひとり旅行に出かけるとのんびり独身気分を味わったりしている。夫を気遣う妻、それをうるさく感じる夫、よくある映画の導入部分なのだが、なぜか、話しがかみ合わないというか、夫婦の場面と夫と他の人物との場面の時間の流れが微妙にずれている。違和感がある。


 中盤過ぎに、散らばっていたピースがぴたっとはまるように、その違和感が必要なものであったことに気づいた。不覚にも思わず涙してしまった。勘のするどう方はこの映画の落ちがわかってしまったかもしれない。


 身近な人に対しては、いつまでも一緒にいられると、つい、素っ気ない対応をしてしまうし、言わなくてもわかっているでしょ、と甘えてしまう。相手の気持ちや状態も敢えて尋ねたりしない。確かに、言葉に出さなくても、態度や表情で感じることは大切だ。それでも、思いは、言葉で精一杯伝えたい、と感じさせてくれた映画であった。


 さて、思わぬプレゼントをくれた友人に久しぶりに連絡をとろうかな・・・・雨も上がったし・・・・