2009年12月21日月曜日

調停センターふらっと運営委員会・事例検討委員会開催

運営委員の鈴木修司です。

今年も残すところ10日となりました。今年は「ふらっと」にとって大きな前進の1年であったように思います。

さて、12月17日(木)、静岡県司法書士会館にて第2回調停センターふらっと運営委員会が開催されました。本日の主な議題は、(1)事例共有シートの取扱いについて、(2)司法書士調停センター人材育成担当者養成研修会、同手続実施者上級者コース研修会について、(3)紛争解決学の研修会等についてです。
事例共有シートは、実際にADR・メディエーションを実施しようとした事案で処理上生じた工夫点や注意点などを検討し、今後の改善に繋げるために関係者間のみで共有することだけを目的に利用するものです。これについては、守秘義務や倫理等の観点を十分に留意して検討を行い、また、研修会については、日程や参加者の確認、企画・運営などの検討がなされました。

委員会に引き続き事例検討会の開催です。
事例検討会は、事件の詳細や関係者を特定しない形で、実際に事件を処理したメディエーターやサブメディエーター、ケースマネージャーから注意点や工夫点などの説明があり、参加者で検討・共有を図るものです。
具体的には話し合いを行う場所や席の配置、申込者や相手方の言葉、表情、動作など多くの点に注意を払いながら進行していることが分かります。

当事者の中には、口の重い当事者、最初から戦闘態勢むき出しの当事者、思っていることが上手に表現できない当事者など様々な方がいると考えられます。それでも皆何とかしたいという思いからその場に臨んでいることでしょう。だからこそ、席の配置やミディエーターの一言でその場の雰囲気が代わったり、当事者との信頼関係が生まれたりするのでしょうね。
そう考えますと、ケースマネジャーやミディエーターは、合意に向けた「紛争解決」よりも「当事者支援」がより重要な視点ということが改めて実感できます。

これも対話の力ですね。

一口に対話(コミュニケーション)といっても奥が深いです。

2009年12月14日月曜日

民法改正と和解契約

運営委員の井上尚人です。

司法書士には青年会といって、若手の司法書士で構成する任意団体があります。静岡にも静岡県青年司法書士協議会があり、毎日活発に勉強会を行っています。

その東部地区の本年のテーマは「民法改正」です。
法務大臣は、諮問第88号で、民法債権法の分野について数年後の改正を目指し法制審議会で議論するよう付託しました。
法務省は、民法の中でも当面は債権法の分野のみ改正を検討するようなので、東部地区の勉強会も、債権法の分野のみに的を絞り勉強をしていく予定です。

さて、債権法の中に「和解」という章があります。当然、「和解」についても、検討対象になっています。私たち”ふらっと”が行う当事者間の合意も、この和解契約が下敷きになっているわけです。

”ふらっと”でもそうですが、私たちの司法書士業務においても、紛争が終結したときは、当事者間で行われた合意を書面にします。
私たちは、学者でなく実務家なので、この合意=和解契約について学問的に考察し、その視点で和解案を作成することは通常ありません。主に、①紛争の蒸し返し防止、②合意内容の実現を望んで契約します。
つまり、和解契約をすることについては、和解後の事後的な紛争防止という極めて実務上の視点しか持っていないと言っても過言ではありません。

しかし、学問の視点では、和解後への留意だけでなく、和解契約が存するための要件、つまり和解前の段階についても考察を行っています。

参考書によると、和解契約の要件は伝統的に「争いが存在すること」「互譲があること」なのだそうです。ただ、昨今はこの要件よりも当事者の合意そのものの存在や、和解の確定効を重視する学説も有力になっているようです。

今回の改正においては、和解と錯誤に関する規定として、「争いの対象となった事項に関係する事実について錯誤があった場合は、取り消すことができない」という内容の条文を新設するかどうか検討されるようです。
”蒸し返し防止”について明文を置いてはっきりさせる意図のようです。

正直、今回の勉強をするまで、和解契約について多角的に分析した学説が複数あることを知りませんでした。和解については、紛争の蒸し返し防止機能くらいしか意識したことがありませんでしたが、和解は”ふらっと”の根幹にも関わるところです。
今後は法制審議会の議論に注意し、使いよい条文になるよう意見していく必要がありますね。

2009年12月11日金曜日

非言語コミュニケーションを考える

運営委員の山田です。寒くなってきました。私には昨年産まれた子供(女の子)がいるのですが,間もなく1歳になろうとしています。この約1年間,彼女の成長を目の当たりにしてきたところですが,ここ1,2か月の間に,日本語の会話はいまだできないものの意思疎通が図れるのを実感することが多くなってきました。
(ベビーサインといった意思疎通方法もあるようですが,本は買ったものの断念!)

たとえば,彼女が手に持ったテレビのリモコンを①「ちょうだい」といって,②手を差し伸べる,そうすると,これまではリモコンを離すことはなかったのですが,今は何やら叫んで,手渡してくれます。

彼女は①を理解したのか,②でこちらの意図を理解したのか,①②を併せて理解したのか,判然としません(単なる反射ということはさすがにないとは思いますが・・(笑))が,結果として意思疎通が図れたのだと思います。


前回は外国の方との非言語コミュニケーションについて取り上げましたが,子どもとのコミュニケーションもこうして考えてみると,なにか,気付かせてくれる点があるのではないかと思います。

2009年11月25日水曜日

ありがとうございます

こんにちは、運営委員の鈴木です。


最近、めっきり寒くなりましたね。
こたつが恋しい季節です。

いきなりですが、
ふらっとのブログの右側に、読者になるという欄がありますよね。

今まで、読者はいなかったと思うのですが、
さきほど見たら、読者が一人増えていました!

祝・読者第一号ですね♪
詠時さん、どうもありがとうございます。

これからも、市民の皆様に、読んで頂けるような、ブログを目指して、
運営委員一同、頑張ります!


宜しくお願い致します。

2009年11月20日金曜日

ケースマネージャーの役割

 運営委員の池谷です。この度ふらっと1号のケースマネージャーを担当したことから、今回はケースマネージャー(事件管理者)について書こうと思います。
 ケースマネージャーは、調停の申し込み受付、相手方への連絡、期日の設定、場所の設定、書類の管理など、メディエーションの入り口から出口までを担当する重要な役割を担います。

 ケースマネージャーにとって最初の大仕事が相手方への連絡です。相手方は、申込人との紛争について怒り、不満、不安などを抱えているはずです。そんな中で「何で自分が出ていかなければならないのか」「仕事が忙しくて行ってられないよ」とかの否定的な発言や、「この調停をやって本当に解決できるの?」「裁判所の調停とどう違うの?」とかの調停に対する疑問の発言などが出てきます。それでも話し合うことのメリット、調停の中立公正性、相手との関係修復を図れることなどを懇切丁寧に説明しながら、参加を促します。参加の回答をもらって調停の場に出てきてもらえれば、調停の半分は成功したと言えるかも知れません。

 かつて受講した研修の中で、ケースマネージャーが調停の中で見据える重要な視点は何かと問われたことがありました。それは「紛争解決」ではなく「当事者支援」だということでした。当事者が現状で抱えている問題、課題を把握したり、当事者が相手のことをどう思っているのかを知ることが大切だということでした。
 また、ケースマネージャーが陥りやすい罠として、「転移」(利用者がケースマネージャーに依存してしまう)や「逆転移」(利用者にのめりこんでしまう。調停を押し付けてしまう。)も警告しています。

 ケースマネージャーは調停全体を通して、当事者と直に接する重要なポジションにいます。先日、事件管理者・法令研修会が行われましたが、この研修で単位を取得し、名簿登載する若手の司法書士がいよいよ実務を担当することになります。これまでの研修で蓄えた知識や技法をいよいよ発揮する時が来ます。一人でも多くの司法書士がケースマネージャーの仕事ができることを期待します。

2009年11月10日火曜日

紛争を解決する手段としての「ふらっと」のメリットは?Vol.3

 センター長の小澤と申します。ようこそ「ふらっと」のブログへ。運営委員の皆様、全員筆が早いようで、もう三巡目でございます。

 さて、本題の続きです。「貸したお金を返せ!」という訴訟の場合、受任した司法書士としては、主として次の点に注意を向ける・・・・とうのが前回のお話でした。

1.誰に、いつ、いくら貸したのか。
2.どのような事情で貸すことになったのか。
3.借用書はあるのか。
4.相手方の資産はあるのか。

 そして、究極的には、4に力点を置くことが多数であろう・・・ということでありました。

司法書士「大体の事情は把握できました。ところで、相手方にはどのような資産があるかご存知でしょうか?」
相談者「多分、ほとんど無いと思います。」
司法書士「相手方がお住いのところは、持ち家でしょうか?」
相談者「いえ、賃貸アパートです。」
司法書士「そうですか。それでは、勤務先はご存知でしょうか?」
相談者「いえ、知りません。以前の勤務先は辞めてしまったようです。」
司法書士「そうですか。その他に相手方の経済状況についてお知りになっていることはありますか?」相談者「いえ、よく知りません。」

 この後、費用対効果(端的に申し上げれば、裁判手続をとった後の回収の可能性などについて)の説明をすることになるでしょう。そして、それを聞き、正式な依頼を断念する・・・という相談者は少なくないと考えられます。

 しかし、上記2について力点を置いて考えてみることによって、相手方の任意の履行(つまり、相手方の自発的な返済)が期待できるのでれば、裁判→強制執行という方法に拘ることなく、相談者の期待に沿えることが出来るかもしれません。

 もちろん、裁判による一括請求を求めるのではなく、民事調停によって、相手方の経済的事情に配慮した分割返済を求めることによって解決が図られる場合もありましょうし、司法書士を代理人として相手方と交渉してもらい、分割返済の和解をするという場合もあると思います。

 続く・・・

2009年11月9日月曜日

新しい紛争解決~「ふらっと」ADR体験講座~

                                                         







みなさん、こんにちは。

事務長の芝です!寒くなってきました。
冬が苦手なので辛い季節の到来です。

さて、先週の土日にNACS静岡さんにお招きを受け、
副センター長名波と芝で表題講座の講師をつとめてきました!

写真は熱弁をふるう名波副センター長です。

NACS静岡(日本消費者アドバイザーコンサルタント協会 静岡支社)は
法テラスの方、消費生活センターの相談員の方、会社員の方等々、
さまざまな方々で構成されています。
みなさんに共通するのは、エネルギーが溢れていて、好奇心旺盛で、
はつらつと していること!
積極的に参加してくださり、私たちも楽しく2日間過ごすことが出来ました。

NACS静岡のみなさん、ありがとうございました。

ふらっとでは随時出張講座を行っています。
内容は要望に合わせて打ち合わせを致します。
ADR、ふらっとの「話し合い」に関する講座はもちろんのこと、
コミュニケーションに関する講座、企業の社員教育、新人教育等も
お受けしています。
お気軽に054-282-8741までお問い合わせください!

2009年10月29日木曜日

紛争の三次元化

家族経営でほそぼそと商売を営んでいた一家のこと。
父親は資金繰りに追われる毎日。
いずれ「2代目を」と考える長男は、父親の保証人を買って出た。

数年後、商売は行き詰まる。破産手続のため、彼は裁判官との面接(「審尋」という)に呼び出されていた。
若い裁判官は彼に対し、「払えない金額を何で保証なんかしたのか?」と罵倒した。

実話である。
みなさんはどう感じるだろうか?

経営者にとって、事業は「命」そのものだ。。
日々、命をかけて資金をつなぐ父親を目の当たりにし、共に生計の糧を産み出していた彼には、「保証を断る」という選択肢は想像すらできなかったのではなかろうか?
これが、零細事業の現場なのだ。

「勉強ばかりで世間知らず・・・」
裁判官への批判の言葉としてしばしば取り上げられてきた。残念ながら、一部にはまったく的外れな指摘でないように感じる。
批判の対象となった裁判官にとって、生の紛争は、机上の二次元の世界に押し込められたままだったのか?

「紛争を裁いて解決する」 「紛争を解決に誘(いざな)う」
手法は違えど、紛争当事者の真ん中に立つのは、裁判もADRも同じことだ。

生の紛争には、紛争に関わる人間がいる。その人間が過ごす日常がある。その日常を取り巻く社会環境がある。
当事者が語る言葉から、バーチャルな社会を構築し、当事者の日常を想像し、そこに過ごす人間に思いを巡らすと、机上の紛争は三次元へと昇華し、当事者の言葉に響きが増す。

やはり、私たちのADRも、「勉強ばかり・・・」 では社会に受け入れられないのだ。

運営委員 中里 功

2009年10月28日水曜日

「合意」第1号誕生!!

先日、“ふらっと”での話し合いの場で、

当事者による「合意」が生まれました。


内容はくわしくお伝えできませんが、

“ふらっと”の調停人が話し合いのサポートをして、

当事者双方が紛争と真剣に向き合うことにより、

“ふらっと”初の「合意」が誕生しました。


おしきせではなく、当事者が自分の力で「合意」

されたことに非常に意味があると思っています。


そもそも、我々市民社会では、

私法上の法律関係については、

個人が自由意思に基づき自律的に形成することができる

とされています。

(私的自治の原則と呼ばれています。)


私は、常々、紛争解決の場でも、

個人が「自分の力」で納得のいく解決をすることが理想

であると思っています。


今回の「合意」も、当事者の自由な意思に基づき、

紛争と向き合い、それを“ふらっと”の調停人が支えること

により誕生しました。


こうした私的自治の貫徹を

これからも大切にしていきたいと思います。


今後も、市民の皆さんの紛争解決手段の一つとして

お役に立てればと思います。


お気軽にご相談ください!

054-282-8741(ハナシ・アイ)


副センター長 名波 直紀

2009年10月22日木曜日

開かれた質問 閉ざされた質問

こんにちは、運営委員の井上史人です。
今回も前回と同様、研修で体験したことを書いてみます。

以前、ADRに関する研修を受講した際、二人一組となって、相手方の情報をどのように聞き出すかという作業を行いました。
この時、2回に分けて、次のような方法で、相手方に質問をします。

一つは、「開かれた質問」と呼ばれる方法で、単純に、「はい、いいえ」、あるいは一言では、答えられない質問です。
例えば、「昨日は何をしていましたか?」という質問をされれば、相手方は、「はい、いいえ」で答えることはできず、ある程度詳細に、「昨日何をしていたか」を答えなければいけませんね。相手の回答次第で、その次の話題につなげやすく会話の内容も広がります。

もう一つは、「閉ざされた質問」と呼ばれる方法で、「はい、いいえ」、あるいは一言で答えられる質問です。
例えば、「昨日、家に居ましたか?」という質問です。このような質問は、「はい、居ました。」というような回答で終わっていまいます。話し好きの人ならば、家で何をしていたかを自ら話し出す人もいるでしょうけど、無口な傾向な人ならば、「はい、居ました」という回答で終わってしまい、会話が広がらないかもしれません。

研修では、開かれた質問のみによるパターンと、閉ざされた質問のみによるパターンでそれぞれ質問を行い、相手方が昨日何をしていたかを探り出す作業を行いました。
開かれた質問による方法では、相手方が自ら詳しい内容を話してくれるので、相手方が「昨日何をしていたか」がよく判ります。

しかし、閉ざされた質問による方法では、「はい、いいえ」の回答しか返ってきません。そのため、こちらが推測して、何回も質問を繰り返すことになりますが、それでも、限られた内容しか聞き出すことができません。

日常会話では、無意識のうちに開かれた質問と閉ざされた質問を使い分けながら、コミュニケーションをとっていると思いますが、会話が上手く進まないと感じる場合は、意識してこの二つの質問を使い分けてみると、会話が上手く進むかもしれませんね。

2009年10月15日木曜日

ふらっとホットライン

こんにちは、運営委員の花田です。

今回は、10月3日(土)に実施された無料相談会「ふらっとホットライン」の様子をお伝えします。




当日は、10:00から15:00まで延べ9名の相談員が、面談・電話の相談に対応しました。相談件数は面談3件、電話3件となりました。
  
 

まだまだ、ふらっと・ADR・メディエーションという手法が浸透していませんので、相談件数は決して多くはありませんでしたが、逆に1件1件の相談にじっくり耳を傾けることが出来たかと思っています。





 また、相談の中にはADRに馴染まないと思われる案件もありましたが、当日対応したメンバーは、一般の相談窓口である「総合相談センターしずおか」の相談員でもありますので、内容に沿ったアドバイスがなされていたようです。


 「ふらっと」の活動は、まだ始まったばかりですので、これから1件ずつ実績を積みあげ、多くの市民にその存在を知ってもらうことが当面の課題ですね・・・


← ・・・相談電話に真剣に対応する増田委員です・・・





なお、「ふらっと」では随時相談受付を行っていますので、054-282-8741《ハナシアイ》まで、お気軽に電話してみてください。



← ・・・当日の仕切りを務めた副センター長の名波さんです。・・・お疲れ様でした・・・

2009年10月8日木曜日

一歩踏み出す

こんにちは、運営委員の登山です。

今回は、私がまだ、司法書士の受験予備校に通っていた頃、駅前で英会話教室のチラシ配りのアルバイトをしていたときのことを書かせていただこうと思います。
チラシ配りと聞いて、「あ~、あの迷惑なあれね?」と思われる方、ごめんなさい。
配り手が配っているものは単なる宣伝のチラシですから、迷惑に思われる気持ちはよく分かります。
そんなチラシ配りを、私はほぼ毎朝、予備校に行く前に2時間程度やっていました。

私がチラシ配りをする時に心がけたのは、「もらってくれなくて当然、もらってくれたら感謝」と思って配ることと、恥を捨てて兎に角元気に声をかけること、の2点でした。
同じ時間帯に同じ場所で配っていたので、通勤や通学のため電車を利用する方々とお互い顔見知りになるのですが、これらの方々の対応は様々です。
笑顔を返してくれて、なおかつ、いつもチラシをもらってくれる方。「ごめんね~」と言いながら通り過ぎて行く方。無言でいつもチラシをもらってくれる方。無関心で通り過ぎて行く方。わざわざ大回りして避けて行く方。「I can speak English.」と言って通り過ぎて行く方。挨拶してくれる方。チラシに何か(ポケットティッシュなど)付いているともらってくれる方。すぐに仲良くなる方、時間がかかって仲良くなる方。いつも同じ反応をしてくれる方。毎回違った反応をしてくれる方。
本当に、十人十色でした。
私は、駅前で、お互い名前も知らない者同士なのに、コミュニケーションが成立しているということに対して、日常にはない楽しさを感じました。また、このときの経験が元で、現在、何の苦もなく人と接することができるのだと思っています。

さて、紛争の場においても、同じことが言えると思います。
親しい間柄で紛争になることもありますが、上述したような、毎日のように顔を合わせるけれど、親しい間柄ではないような相手と紛争になることも多いのではないでしょうか?

こんなとき、意を決し、相手と腹を割って話してみるのか、それとも無関心でいるのか。

正解はないと思いますが、私は、相手と腹を割って話してみる方が、得をすると感じています。
相手がどんな対応をされる方か、実際に接してみないと分かりません。また、状況によって対応も変わってくるでしょう。
ですが、何より、仮に相手がどんな対応をされる方であっても、それが自分自身にとって良い経験になるから、というのが最大の理由です。

私達、調停センターふらっとは、紛争の相手と腹を割って話してみたい、だけど、なかなかその一歩が踏み出せない、そんな方が、その一歩を踏み出すための、お手伝いをさせていただくところだと思っています。

2009年9月25日金曜日

きみはウィン-ウィン君を見たか

先日、調停センター「ふらっと」の紹介に、10月3日(土)に開催する無料相談会の案内を兼ね、近隣の市役所・町役場と社会福祉協議会に行って参りました。

担当窓口には、チラシやポスターを置いてほしいという要望が数多く寄せられるのでしょう。私の名刺に加え、リーフレットやポスターを差し出しますが、先方はかなり事務的な対応です。

ところが、次にバッグからウィン-ウィン君のぬいぐるみが出ると、担当のかたの顔つきがパッと変わりました。ポスターやリーフレットを届ける団体や業界は多いかもしれませんが、マスコットを置いて欲しいという団体は珍しいのかもしれません。とたんに興味を示し、そのあとの説明を熱心に聴いて頂き、快く協力のお返事を頂くことができました。

恐るべし、ウィン-ウィン君の愛らしさ。

みなさんは、ウィン-ウィン君を知ってますよね。
当運営委員山田さんの創造したキャラクター、ウィン-ウィン君。
静岡県司法書士会調停センター「ふらっと」のイメージキャラクターです。

我が家でもウィン-ウィン君は大人気!
三番目の娘は、とくに気に入っているらしく、事務所に置いてあるウィン-ウィン君が目に入ると、「あっ」と声を上げ、近寄って「ウィン-ウィン君!ウィン-ウィン君!!」と嬉しそうに繰り返します。

実際、正面から見ると、ニッコリ笑顔に癒されますね!

みなさん、ゼヒ市役所などでウィン-ウィン君を見つけてみてください。

ニッコリ笑顔にきっと癒されますよ。



運営委員の増田でした。

裁判所型の調停モデル

赤松です。調停は、①裁判所型、②町内会長型、③対話促進型に分けることもできそうです。
そこで、今回は、①裁判所型の調停を実際に台本形式で見てみましょう。
(実際の寸劇風景も、機会があれば、ご覧いただきたいのですが)

では、台本スタートです。

(左から山田、赤松、鈴木の順に着席している。山田は気難しい表情、鈴木は困惑した表情、その間に挟まれている赤松は事務的な表情である。)

赤松「では、只今より平成21年ふらっと1号損害賠償請求事件の調停を開始いたします。まずは申立人の申立書に基づき、事案の概要の確認をいたします。事件が起きたのは、平成21年4月1日水曜日の午後6時30分頃、事件現場は、静岡県沼津市大手町のコンビニ『オーソン』の駐車場…。ここまでは間違いないですね?」
山田「そうなんですよ。そこで、あの人の飼っているジローくんが突然私に向かって…」
赤松「まだ、そこまではお尋ねしていません。質問には、『はい』か『いいえ』で答えればよろしいです。間違いないですね?」
山田「あ、はい…」
赤松「相手方は?」(と鈴木をみる)
鈴木(畏縮した様子で)「あ、私ですか…。は、はい。間違いありません」
赤松「では、続けます。そこで、申立人は、相手方の犬に顔を咬みつかれ、全治2週間の怪我を負った、と。間違いないですね?」
山田「そうなんですよ。おかげで、私のこれからの人生が台無しです!まったくもう、こうみえても私は…」(と話を続けようとするのを赤松が遮って)
赤松「質問には『はい』か『いいえ』で答えてください」(と言ってから鈴木をみて)「犬はどんな犬ですか?」
鈴木「はい」
赤松「『はい』では、わかりません。犬種とか、年齢とか。もっと具体的におっしゃってください」
鈴木「すみません。緊張していまして…。うちのジローは、ミニチュアダックスで4才のオスです。普段は、とてもおとなしいんです」
赤松「犬は、大きいんですか?」
鈴木「いいえ」
赤松「だから…。『はい』とか、『いいえ』だけでは、わかりません。どのくらいの大きさですか?」
鈴木「あ、ほんとにすみません!何て答えればよいのかわからなくて…。えーと、このくらいです」(といって、手を広げる)
赤松「小型犬ですか。誰かを咬まないように、しっかり繋いでおかなかったのですか?」
鈴木「リードをつけて、コンビニの近くの電柱に結んでおきました」
赤松「リードを電柱に結んでいる間、相手方は何をしていたのですか?」
鈴木「コンビニでタバコを買っていました…」
赤松「では、咬まれた時、どういう状況だったか、見ていないということですね」
鈴木「はい…」
赤松「申立書によると、申立人は、バイトの帰り道、コンビニ近くを歩いていたら、突然、ミニチュアダックスに咬まれたということですね」
山田「そうなんですよ。ここを見てください。ここを。ほら、まだうっすらと咬み跡が見えるでしょ。(といって顔をオーバーに向ける)おかげで私の役者人生真っ暗になっちまいましたよ」
赤松「質問には『はい』か『いいえ』で答えてください。何回も言わせないでください」
山田「すみません…。はい、です」
赤松「全治2週間ということですが、申立人は診断書と治療費の領収書はお持ちですか?」
山田「今日は持っていません」
赤松「は?証拠がないと損害が認定できませんよ。本気で請求する気があるんですか?」
山田「そんなこと言われたって、最初に言われてませんでしたし…」(といって鞄を捜す)「あ、あった、あった、ありましたよ。鞄の底にまぎれて入っていましたよ」
赤松(書類を受け取って)「では、これで全治2週間とその間の治療費3万円を認定しましょう。相手方は、自分の飼っていた犬の管理が不十分で、そこに通りがかった申立人を咬んでしまったということまでは認めるのですね」
鈴木「はい」
赤松「では、この点は当事者双方に争いのない事実ということですので、証拠不要と…。申立人は治療費のほかに慰謝料として100万円請求してるようですが、その根拠はありますか?」
山田「私の顔に傷が残っているじゃないですか、ほら。こう見えても私は俳優なんですよ。これからの仕事ができなくなるじゃないですか!」
赤松(小声で)「あまり見たことないですけどね」(山田を向いて)「100万円も請求するのでしたら、その根拠を立証してもらわないとなりません。さっきみたいに。そうだ。今までの仕事のギャラとか、出演した作品とか。そういうのでも疎明資料のひとつにはなりますよ」
山田(ぎくっとして)「それは家においてきました」
赤松「では、期日を続行しますので、次回持って来られますか?」
山田(あせって)「いいえ。今日、話をまとめてください」
赤松「相手方も、それでよろしいのですか?」
鈴木「は、はい。でも、まだ言いたいことが…」
赤松「それは、今回請求されていることと直接関係があるのですか?」
鈴木「それは…ないかもしれませんけど…」
赤松「なら、とくに言わなくてもいいです」
(鈴木、少しむっとする)
赤松「では、調停案を出します。『相手方は、申立人に対し、解決金として金3万円を支払う。それ以外に、お互い債権債務はないものとする』これでよろしいですね」(と言って、双方をみる)
山田「やだ、やだ」鈴木「やだもん」

2009年9月24日木曜日

無料相談会の広報

こんにちは。運営委員の鈴木修司です。

「ふらっと」では、来る10月3日(土)に無料相談会を実施します。

小さなトラブルやご近所トラブルなどを話し合いによって解決を図るものです。
相談会の詳細は、9月6日にアップしていますのでぜひご覧ください。


さて、先日、標記相談会の広報の件で私の事務所のある市の市役所や県東部の県民生活センター、商工会議所、健康福祉センターなどに行って来ました。

どこもアポなしの訪問でありましたが、真剣に話しを聞いてくださり、反応は概ね良かったと思います。
行政の窓口担当者の中には、「どういう機関なの?」、「司法書士が調停人になれるの?」など、興味半分、不安半分といった担当者もいました。

やっぱり、まず「ふらっと」を知ってもらう必要がありますね。
今後も地道な広報活動が必要となりそうです。


さて、「ふらっと」が設立してから、徐々に問い合わせや申込みが増えてきています。

裁判はしたくないけど、紛争を解決したい!
小さなトラブル・ご近所トラブルなどでお困りの方、
お気軽にご相談ください!!

2009年9月12日土曜日

もし外国人の方々と紛争になったら

運営委員の井上尚人です。



司法書士は、研修や会議などで土日もあちこちに出かけることが多く、本日も日本司法書士会連合会主催の研修を受けるために札幌に来ています。土日両日合計12時間にわたる研修なので、今回も観光などまったくできず、事務所と研修会場との往復で終わりそうです。
業務は5時に終了、土日はゴルフ三昧・・・という司法書士像は必ずしもあたりません(笑)。

さて、お話は品川駅から羽田空港行きの電車に乗ろうと電光掲示板を探したところから始まります。

「羽田○○」・・・
○○は「空港」でなく、変わった字が使われています。日本では、公に対する表示は明朝体が使われることが多いと思いますが、字体からして変わっています。
次にハングル文字が表示され、最後に日本語で「羽田空港」と表示されました。中国人観光客増えているんですね。

次に中国を意識したのは新千歳空港から小樽行きのエアポートライナーに乗車したときでした。
車内のあちこちで中国語らしき言葉が交わされています。北海道も観光コースなのでしょうか。

しかし、札幌に着いて驚きました。
私は食事を摂るためホテルの横のラーメン屋に入ったのですが、お客のほとんどが中国人らしく猛烈に中国語が飛び交っています。そのうち、観光バスが横に乗り付け、店はほとんど中国人観光客の方々の貸し切り状態になりました。
「博多が本店のラーメン屋にあえて入るのはなぜ?」という疑問は大いにあるのですが、それよりも気になったのは中国人の方々の話し声です。嫌悪まではいきませんが、私の視点からも目に余るほどです。

文化的な差異かもしれませんが、日本人なら酒が多少入らない限りお店の中で大きな声で話すことはありません。しかし、このお店に入った中国人の方々は、日本人ではあり得ないほどの大声(と評価せざるを得ない)でガンガン話はする、とにかく記念写真を撮りまくる・・・。
「ラーメン食べるのに記念写真?」落ち着いて食べていられません。そのうち日本人と思われる別のお客が居づらそうに出て行ってしまいました。

私は中学生の時観光で中国や香港に行ったことを思い出し、なんとなく中国人の方々の振るまいがわかるような気がしました。
いま、彼らの国や人々は昔の成長期にあった日本のようにパワフルな時代なのだな・・・などと妙に納得してしまいました。
私の地元である伊豆・箱根・冨士でも特に中国・韓国からの観光客が増えているようです。

ただ、この振る舞いの違いは紛争につながってしまうのでは?とも思いました。
かつての日本人(今も、でしょうか)も欧米を観光する際はその所作がヒンシュクを買ったと聞きます。
話して理解してもらえるものなら良いでしょうが、そもそも言葉が通じない、文化的な背景を持った振る舞いの場合は話しても理解されないのではないか。


紛争の発端は相手方とのコミュニケーション不足、理解不足と言われています。
翻ってみて、当ふらっとでは、外国人の方々が当事者の紛争は解決に向けてどのように助力できるのか、大いに考えさせられた体験でした。

2009年9月7日月曜日

コミュニケーションとしての非言語

委員の山田です。ワタシは日頃からとにかくよく喋ります。仕事でも,プライベートでも,べらべら喋っています。したがってコミュニケーションの方法としては,「言葉」に重点を置きがちです。

ところで,人とコミュニケーションをはかるために,言語に頼らない方法はあるのでしょうか?

確かにADRの研修においては,非言語によるコミュニケーションについて学びました。
しかし,日本国内で生活をしていると,「言語」が先に出てしまい,非言語コミュニケーションを体感する機会にはなかなか遭遇しません。

そこで,改めて思い出されるのが,海外旅行のときです。海外旅行に行けば,私のコミュニケーションのメインは「言語」から「非言語」に変わります(変えざるを得ない??)。

以前北欧を旅したときのことです。旅行中に船に乗ることになりました。そもそも日本人があまり訪れない国ということもあり,日本人はワタシを含めマニアックな内容の旅に賛同した数名のみです。

船が動き出してから,我々日本人の座っていたシートに,突然ドイツ人の方が同席することになりました。どうやら英語を話すことはできない方のようです。「誰かドイツ語を話せる人間はいないか?」お互い助けを求め合います(せっかくの旅なのだから,沈黙ですごすのはよくないだろうということです)。

・・結局大学の第二外国語でドイツ語を専攻していた私が,担当となりました。現在の私にとってのドイツ語の能力では「はじめまして」,「私の名前はヤマダです」,「こんにちは」,「おいしい」,「きれい!」,「さよなら」,「好き」,「はい」,「いいえ」ぐらいしか手持ちのカードがありません。

ドイツ人の方に早速,自己紹介をドイツ語ですると,「OH!」とばかりに目を見開き,早口のドイツ語で次々に話しかけられる状況となりました・・・が・・もはや理解不能・・。笑ってごまかし,その後,再び沈黙となりました。それでも,料理が出てくれば「おいしい」を使い,景色がきれいであれば「きれい」を使ってドキドキしながらも時が流れていきました。

それでも会話が続かない苦しさ(コミュニケーションが図れない苦しさ)から,恐らくこの船に乗るということは今夜さる場所で開催されるクラシックコンサートに行く予定に違いないと推測し,思い切って,「私,シベリウス(作曲家の名前)好き」と言ってみました。そうすると,ドイツ人の彼は,私がドイツ語をあまり理解できないことはわかったらしく,手や目,身振りを大きくしながらゆっくりとしたドイツ語で答えてくれました。言語は相変わらずよくわかりませんでしたが,ボディランゲージが入ると,とたんに彼が何を言いたいのかわかるように感じられました。・・そうか,これが非言語によるコミュニケーションなんだ・・。私も手やうなずきなどを交え,それに加えて限られたドイツ語カードを使いながらコミュニケーションをはかります。指で数字を示して,「交響曲*番が好き」と伝えたり,「この楽器の使い方が好き」と,楽器を演奏する真似をして伝えます。彼はそれに対して笑顔でうなづいてくれます。
そんなことで,結局,後半はボディランゲージを交えることで,充実した時間をすごすことができました。

その夜,コンサート会場で大きく手を振る彼の姿を発見しました。広いコンサートホールで,私を見つけてくれて手を振ってくれた彼の笑顔は非常に魅力的でした。

コンサート終了後,寂しいけれど,限られたドイツ語カードを彼に伝えました。
「アウフ,ヴィダーゼーン!」(さよなら,また会いましょう!)

今度は握手と笑顔という,ボディランゲージを添えて。

2009年9月6日日曜日

10月3日(土)に無料相談会を開催します!!

「もめごとに悩んでいる。でも、裁判まではしたくない」
という市民の皆さんからの相談を、
電話・面談にてお受けして(無料)、
「ふらっと」では、どのように解決できるか
についてご説明・ご提案いたします。

【タイトル】
小さなトラブル・ご近所トラブル110番
話し合いで解決してみませんか?
「ふらっとホットライン」

~たとえば、こんなトラブル~

・親族間・知人間等の金銭トラブル
・ご近所トラブル~今後も顔を合わせるのでスッキリさせたい
・飼い犬に手をかまれた!(ペットのトラブル)
・雇用主の給料未払いなど労働トラブル
・賃貸借に関するトラブル
・物の引き渡しに関するトラブル

※紛争の目的の価額が140万円以下のトラブルに限ります。

【相談の電話番号】
054-282-8741(ハナシ・アイ)

【日時】
日程  平成21年10月3日(土)
時間  10時から15時

【場所】 静岡県司法書士会
(静岡市駿河区稲川一丁目1番1号)

【内容】(無料相談)
電話による相談(予約不要)
面談による相談(予約要)

【対象・人数】
電話相談・・どなたでも
面談相談・・申込み順で10人まで

【面談相談の予約方法】
9月25日(金)~10月1日(木)
の9:00~17:00(土日は除く)
下記電話番号へ電話での予約
電話番号 054-282-8741(ハナシアイ)
※10人で締め切らせていただきます。

【問い合わせ】
静岡県司法書士会調停センターふらっと
電話番号 054-282-8741(ハナシ・アイ)
ホームページアドレス http://www.s-flat.net


2009年9月3日木曜日

メール

こんにちは、運営委員の鈴木です。


今回は、普段使っているメールについて、お話しようかと思います。


今や現代社会には、電話やメール、インターネットなど、
たくさんのコミュニケーションツールがありますよね。
また、移動手段も昔と比べれば、非常に発達してきていると思います。

このように様々な手段が発達しているはずの現代社会なのですが、
かえって対話の機会が失われているような感じがするのは私だけでしょうか。

確かにメールはとても便利な手段です。私もよく使っています。

メールの便利な所は、まず気軽に相手に送れる所ではないでしょうか。
電話ですと、どうしても相手の都合が気になってしまいます。
「今、忙しいかな、迷惑じゃないかな」と。
けれども、メールなら電話よりも相手の都合をあまり気にせずに送ることができます。

ただ、いつもメールを送った後、不安になってしまいます。
それは、相手に読んでもらえるだろうか、
相手に自分の伝えたいことが、ちゃんと伝わっただろうか、
という思いです。

私は、メールを送る時、あれこれ文章を考えます。

なぜなら、同じ内容の文章を送る場合でも、言葉遣いや表現方法で、
その文章の印象はガラッと変わってしまうからです。

それに、電話なら相手の声色などから、
多少は相手の様子を伺うことができるのですが、
メールや書面ですと、なかなかそれが難しい…。

なので、文章を読んでくれる相手の様子を、自分なりに想像しながら、
文章を考えたりもしますが、それにも限界があります。
どんなに時間をかけて考えた文章でも、相手にちゃんと伝わっているのか、
いつも心配でしょうがないです。

今書いているこのブログもまさに文章…(~_~;)あぁシンパイ。

このように考えると、メールや電話は確かに便利なのですが、
直接相手と向き合って対話をするよりも、色々制限されている
(相手のしぐさや態度が見えにくい、雰囲気をつかみにくい)部分が多いのです。

なので、大事な話などを電話やメールでする時は、
かなり慎重にしないと、かえって誤解を招いたりして、難しいのかもしれません。

やはり、どうしても相手に伝えたいことがある時は、
対話をすることが一番の近道なのでしょうね。

2009年8月31日月曜日

長野県行政書士会でトレーニング

こんにちは、事務長の芝です。

平成21年8月29日、30日、長野県行政書士会のお招きを受け
ADR出張トレーニングを行いました。

長野県行政書士会主催
「対話促進トレーニングⅡ」

講師 静岡県司法書士会調停センターふらっと 名波直紀
                              芝 知美

テーマ 「聴く」ことを体感しよう!
     繰り返し・要約をしてみよう!
     初めての出会い

体験型学習(参加型学習)とよばれる手法を使って、
みなさんと共に楽しみながら5時間の研修会を行いました。
24名のみなさんに参加いただきました。

長野県行政書士会にお邪魔するのは初めてでしたが、
みなさん意欲的で、参加意識も高く、非常に有意義な
時間を過ごすことができました!!

長野県行政書士会のみなさま、
ありがとうございました。



ふらっとでは出張トレーニングを行っております。
詳しい問い合わせは054-282-8741まで
お気軽にお電話下さい。

2009年8月25日火曜日

よりよきコミュニケーションをとるために-フォーカシングを使って-

 運営委員の池谷です。早いもので二巡目の投稿となりました。私からは先日のADR研究会の報告をいたします。

 去る8月19日(水)の研究会では、「よりよきコミュニケーションをとるために-フォーカシングを使って-」と題し、フォーカシングについての体験学習が行われました。講師は、フォーカシングに詳しい浜松の豊島睦子さん。20数名の参加者のほとんどが初めての体験でした。
 
 フォーカシングとは、アメリカ在住の哲学者でもあり心理学者でもあるジェンドリンという人が開発した技法で、「からだの実感を通して、実感の持つメッセージを受け取っていく方法」です。からだでは感じているけれど、漠然として、まだ言葉にはしにくい、でもからだでは何か意味が有りそうな、何か分かっているような、そんな実感を聴き手(リスナー)が話し手(フォーカサー)から、丁寧な傾聴を通して受け取っていくという技法です。

 学習の中で、参加者全員が1対1となり、お互いが話し手と聴き手になってトレーニングが行われました。私の場合、聴き手になったとき、傾聴ということを意識しながら臨んだつもりでしたが、つい普段の相談員のくせが抜けず、話し手に対してあれこれと質問していたようです。講師から即座に指摘されました。
 フォーカシングでいう傾聴は、程よい距離を取りながら、話し手の言うまでゆっくりと待ち、思いを共感し、困ったこと、悩みなど聴き、話し手の判断、決断を認めるということらしいです。

 最後に、講師の豊島さんが聴き手になり、事務長の芝さんが話し手になって模範実習が行われました。豊島さんは、ゆっくりと丁寧に話し手の気持ち、からだの感じなどを聴き取り、そして共感し、話し手の思いを受け取っていました。まるで催眠術をかけているような感じでした。参加者の皆さんはどう感じたでしょうか。

 メディエーションでもコミュニケーションをとる方法としていくつかの技法がありますが、この技法、案外使えるかも知れません。機会があれば、もう少しトレーニングを積むのもいいかも知れません。

2009年8月19日水曜日

紛争を解決する手段としての「ふらっと」のメリットは?Vol.2

 センター長の小澤と申します。ようこそ「ふらっと」のブログへ。運営委員の皆様、全員筆が早いようで、もう一巡いたしました。良いペースですね。ブログは更新が命ですから。

 さて、前回は総論的なお話でしたので、これからは、具体的な事案で考えてみたいと思います。

 司法書士事務所には、日々、多種多様なトラブルが寄せられていますが、その一つにいわゆる「貸金請求事件」と呼ばれる類型のものがあります。簡単に言えば「お金を貸したが返してくれない!」というものです。

 このような相談があった場合、司法書士事務所ではどのようなことを聴き、どのような解決案を提示してくれるのでしょうか。

 私であれば、まず、概ね次ぎのようなことをお聴きすることになります。おそらく、どんな司法書士でも大差はないと思われます。

1.誰に、いつ、いくら貸したのか。
2.どのような事情で貸すことになったのか。
3.借用書はあるのか。
4.相手方の資産はあるのか。

 この中で、紛争解決にあたる司法書士が、最も大事なポイントをどの点に置くのか(あるいは優劣をどのように考えるのか)・・・これによって依頼人の満足度や紛争解決のメニュー選択にも微妙な影響を与える、結果、実際の解決にも差が出るのではないか・・・そんな考えを持っています。

 乱暴に言ってしまえば、シンプルに貸金の返還(即ち回収)のみに力点を置くのであれば、上記2の「どのような事情で貸すことになったのか。」という背景はさほど重要ではなく、4の「相手方の資産はあるのか。」が最重要ポイントとなります。いくら権利があっても、相手方が無資産であれば、仮に裁判を起こして判決をとってもただの紙切れになってしまう可能性が強いからです。そして、現実には、そのような事案が非常に多いことから、結果的に泣き寝入りを強いられてしまう相談者は少なくないでしょう。

 実際、私の事務所にも、貸金返還を求める相談者は数え切れないほどいらっしゃっていますが、これまでは、訴訟や調停その後の執行(差し押さえですね)といった手続を前提として、4に力点を置いてまいりました。しかし、これでは何の解決にもならない・・・そういう事案が少なくなかったことから、内心忸怩たる思いをしてきた・・・というのが本当のところであります。

 続く・・・・

2009年8月18日火曜日

親指の恋

みなさん、こんにちは。
ふらっと事務長の芝です。
運営委員で渡してきたバトンも私で最後になります。
いろいろな角度から対話やコミュニケーション、紛争解決に関しての
投稿、いかがでしたか?

私からは少し嗜好を変えて
メールとコミュニケーションの関係について考えてみたいと思います。

「親指の恋」という言葉を聞いたことがありますか?
近頃は携帯電話のメールで始まり、メールで終わる恋を親指の恋と
言うそうです(若者でないので詳しくは知りません。)


友達のAちゃんは、付き合っている彼にも電話をかけることができません。
なぜなら怖いから!
電話をしてもし向こうの都合が悪いタイミングだったらどうしよう。
電話をしてもし向こうが機嫌が悪かったらどうしよう。
あれこれ考えると電話をする勇気がもてないようです。
また直接会っている時間はなるべく楽しくいたいので、
「本当に思っていることを伝える」という少し重い話はなかなか
出来ないそうです。

その点、メールだと、いつでも空いている時間に送ることが出来るし、
彼にも迷惑をかけません。
メールなら本心を言えるし、素直に寂しいとかかわいらしいことも
言えます。
Aちゃんは直接言えないことはメールで伝えるようになりました。

しかし、彼からしてみれば、会うときは何も言わないのに、
あとからメールであれこれ言われても・・・・ということになるのでしょう。
次第に二人はぎくしゃくしていき、残念ながらお別れをしてしまいました。

古くはポケットベル、携帯電話や携帯メール・・・・・コミュニケーションツール
の発達により、逆にコミュニケーションエラーを生むことが多くなって
いるように思います。
直にコミュニケーションを取ることに慣れていない世代からすれば、
以前は当たり前であった電話や直接の対話すら行うことが難しくなっています。


「言葉が足りない」

こともあれば

「言葉じゃ足りない」

こともあります。

コミュニケーション不足の一つの要因は「慣れていない」ことではない
かと近頃思います。

直にコミュニケーションを取ることに慣れていないみなさん、
一緒にコミュニケーションを体感してみませんか?
市民のみなさんと共にコミュニケーション、メディエーションを考える
Rcafeしずおかは今月21日 19時より 静岡県司法書士会3階
で開催です!!
参加費無料で、どなたでも参加できますので、遊びに来てくださいね。

2009年8月13日木曜日

“何か”を求めて

「話し合いで紛争解決」・・・これが、メディエーションの求める姿です。
“ふらっと”も、この究極の紛争解決を模索しています。

でも、ほんとにそんなことが可能なんだろうか???

運営委員の一人でありながら、実のところ私は、未だに懐疑的です。
せっかちで結論を求める性格ゆえか、勉強を重ねれば重ねるほど、「自分には向いていない学問だ」という思いは募る一方です。

それでも、先駆者の芝さんがメディエーションを語る時、彼女の眼は、いつにも増して輝いています。
自分の時間とエネルギーを惜しみなく費やし、全国の仲間に、繰り返し繰り返し語りかける姿からは、「“何か”を伝えたくて伝えてくて仕方がない」という彼女の熱意が溢れ出ています。
そんな彼女を見ていると、「壁の向こう側で待つ “何か” は “ものすごいやつ” に違いない」という不思議な気分にさせられます。

「努力を重ねた者だけが知る世界」
「敗者のいない win-win という世界」

そんな世界があるのなら、紛争解決に関わる一人として体感しなければならない。

こんなことを考えながら、もう3年が経過してしまいました。
少しは“何か” に近付けているのでしょうか・・・・?

できの悪い運営委員の中里でした。

+++++++++++++++++++++++++++++

PS でも、

 “ふらっと”利用者の皆さん
 紛争に悩み“ふらっと”の利用を検討されている皆さん
 ブログをご覧頂いている皆さん

きっと、私と同じように「そんなことができるわけがない」と感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか?
もしかしたらあなたも、“ふらっと” を通じて “何か” を体感できるかもしれませんよ。

お家でメディエーション(話し合い)!?

副センター長の名波と申します。
よろしくお願いいたします!

我が家には、
トシキ(小3)という男の子とアキ(小1)という女の子
がいます。

この二人、仲がいいのか、悪いのか、
いつもケンカをしています。

先日、あまりにひどいケンカをしていたので、
私は二人を呼びつけました。

「二人とも、ここへ座れ!」

テーブルを挟んで、
即席メディエーション(話し合い)の開催です。

「それでは、これから話し合いを始めます!」

二人は何が始まったのだろうと、
目をキョトンとさせて私を見ていました。

「まずは、3つの約束です。」

段々、何事かを理解し始めた二人は、クスクス笑い始め、
話し合いに参加してきました。

「じゃ、どちらから、話したい?」「ハイ!!」

二人は同時に手を挙げました。

「う~ん、それじゃ、ジャンケン」・・・

その光景をみていた、私の妻もニコニコと近づいてきて、
話し合いの観察者となりました。

●メディエーションが「どこでもメディエーション」 
と呼ばれる所以です。

●この話し合い以降、二人の子供は、 
極端にひどいケンカをしなくなりました。
お互いを尊重する意味を少しだけ感じてもらった気がします。

●そして、何といっても、 
その瞬間だけ、カッコいいお父さんになることができました。


明日からできる即席メディエーション3つのステップ

①トラブル解決までの再現ビデオをご覧ください。

②事務長の芝が「3つの約束」を読み上げているシーンがあります。
どのように、話し合いを進めるかを見てください。

③「3つの約束」をメモしながら、マネをしてみてください。


これであなたも、即席メディエーター(調停人)です!!


もっとしっかり学びたい方は、R cafe しずおか
で勉強会やってま~す!

2009年8月6日木曜日

話を聴く

はじめまして、運営委員の井上史人です。

運営委員になる前の、今年の3月末の土日で調停員となるための研修を受講しました。
その研修の中で、複数の班に分かれて、与えられた題材に沿い、当事者役、調停員役に分かれて、ロールプレイングをするということを行いました。

私は、調停員役を演じたのですが、与えられた時間の中で、「当事者双方の話を平等に聴く」ということがとても難しく感じました。
時間内で、当事者双方に平等に時間配分することや、話を聴いている最中の頷き、目線、顔を見る回数などに気を配らなければならないことが難しかったです。

調停に臨む当事者は、事件の解決を望んで、調停の場に来られるわけですが、一方の当事者に、「調停員は相手方当事者の話ばかりに共感して話を聴いている」という印象を持たれると、話し合いがうまく進みません。

人は言葉だけでなく、相手の目線、頷き、あいづち等の仕草を確認しながらコミュニケーションをとるもの。
前回投稿された花田さんも書いていましたが、頷き等を一切しない相手に話をするとまるで、お地蔵さんに向かって、話をしているようですね。

かといって、一方の当事者の話ばかりに気を取られているような仕草をしていると、もう一方の当事者に誤解を招いてしまいます。
日常業務で相談を受けている時は、相談者のみの話に耳を傾けることになるので、「当事者双方の話を平等に聴く」というのはなかなか訓練できません。
研修を積極的に受講して訓練を積み重ねていかなければと思います。

2009年7月27日月曜日

“うなずき”“あいづち”

始めまして、運営委員の花田です。

このブログには、これまで多くの人が投稿していますが、みんな“ふらっと運営委員会”のメンバーであり、総勢14名で運営しています。
私で11人目なので、全員登板までもう少しです。


さて、メディエーター(調停人)は、様々なトレーニングを積んでメディエーションに臨むわけですが、その基本的なスキルの一つにノンバーバル(非言語)コミュニケーションがあります。

数年前の司法書士会の研修でも、名波さん、芝さんが中心となって、このノンバーバルコミュニケーションの基礎講座を行いました。
2人一組になって片方が自己紹介をするのですが、聞き手役は、最初、「石のお地蔵さん」のようになって全く表情を変えないで聞き、2回目は、話し手に合わせて“うなずき、あいづち”をします。
聞き手役が無表情だと話し手はとても話しにくくて言葉に詰まってしまうんですが、聞き手がうなずいてくれると気持ち良く自己紹介ができます。聞き手役が意図的に無表情にしているのを分かっているにも係わらず、全然違うんですよね、これが・・・
研修の場でなく日常生活の中だったら、相手の本音が分からないので、話し手側の気持ちはもっと違うでしょうね。

こうしたスキルは、私たちが日常業務で依頼者と会話をしたり、友人、知人、家族と話をするときにも全く同様ですから、身に付けておいて損はないですよね。こちらが何も嫌悪感を持ってないのに、うっかり「石のお地蔵さん」で相手の話を聞いてしまったら、相手方に勘違いされるに違いありませんから・・・

そういえば、人前で話すのはお手の物といった司法書士の方が、人前で話すコツとして「話す前に“うなずいて聞いてくれそうな人”を3人ぐらい選んでおいて、その人達に順番に目線を向けながら話すといい」と言っていたのを思い出しました。
その方にとっては、学んだというよりは実践で身に付けたテクニックなのでしょうが、まさしくノンバーバルコミュニケーションの裏技ですね。

普段、何気なくやっている“うなずき”“あいづち”ですが、なかなか「深い」ですね・・・。

2009年7月23日木曜日

トレーニングの様子

 運営委員の登山です。よろしくお願いいたします。

 昨日は、本調停センターふらっとの指定研修機関の1つでもある「ADR研究会しずおか」の勉強会に参加してきました!
 調停人候補者は、その能力の維持向上のため、年間に一定の研修を受けることを義務付けられているのです。
 研修の内容ですが、専ら「体感」することが中心の参加型の研修であるため、時間の経つことを忘れさせてくれます。大体いつも、最初にアイスブレイク(直訳すると「氷を壊す」ですが、「緊張をほぐす」という意味です。過去ログに詳しく載っていますね。)を30分程度行い、その後にコミュニケーションスキルを中心として理論を勉強し、実際に体感し、感想を述べて新たな発見をする、といった具合に進んでいきます。

 さて、どうしてこういった研修が必要なのでしょう!?

 昨日の研修の中で、私なりに感じたことを述べさせていただきます。

 一般に、紛争の背景には、それぞれの当事者の、経験や考え方の違いが存在します。これを仮に「枠」とするならば、紛争当事者は、それぞれの枠で意見を主張する結果、共通点・合意点が見つからない、といった結果になることもある訳です。

 ここに第三者が介入する場合、1つの方法としては、1つの枠(たとえば法律とか、慣習とか)を用意して、その中で紛争当事者に決着をつけさせる方法があります。この場合、第三者としては、公正、明確な基準となる枠を用意することに心を砕く必要があるかと思います。

 しかしながら、調停センターふらっとの調停は、これとは別の方法をとります。それは、この方法には、悪く言えば、当事者の枠を無視することになる一面があるからです。当事者の枠を気にしていたら解決がつかない、ということもあるかもしれませんが、そこをあえて、選択した訳です。
 調停人は、当事者自身が、それぞれ相手方と枠が異なることを認識できるように手助けし、そのうえで、当事者双方が、どういった枠の中で決着をつけるのかを選択できるように手助けし、そこからようやく、解決に向けての話し合いのお手伝いをします。
 まさに、「黒子」です(笑)。
 そのため、調停人としてのトレーニングは、当事者の話を感情に流されずに聞くとか、当事者の話を否定せずに受け止めるとか、そういった「体感」するものとなる訳ですね。

 大変ですけれど、こういったトレーニングは、日々の業務、また、日常生活でも役に立つので、楽しみながら参加するのが、長続きのコツでしょうか(笑)。

2009年7月13日月曜日

タ・イ・カ・ン

こんにちは。運営委員の増田です。
はじめての投稿になります。

私は昨日・一昨日と、東京・早稲田で行われたワークショップ
『コンフリクト・マネジメント・セミナー 協調的問題解決と対人コミュニケーション
 ~Win-Winのための問題解決~』に参加してきました。
 http://www.quonb.jp/service/management/

とっても刺激的!な体験をしましたので、簡単に報告します。


まず、なにが刺激的って、講師の鈴木有香先生! 
最高です。
弾けるパワー、巧みな話術で、私たち受講生は有香ワールドへ引きずり込まれました・・

次に、受講生の顔触れ。
IT関係・薬剤師・大学講師・土地家屋調査士・行政書士などなど・・
年齢層も20代から60代(たぶん)、お住まいも北から南までとバラエティー豊かな面々でのロールプレイは、同業者では出てこないだろう考えやフレーズがたくさんあって楽しかったです!

そして、ワークショップの内容。
今回は、ミディエーション(有香先生は、「メ」ディエーションではないと強調されていました)、第三者が介入する問題解決方法ではなく、私たちが生活するうえで避けることができない他者との衝突、主張や意見の食い違い(コンフリクト)に着眼し、相手方との関係を壊すことなく、Win-Winとなるような、当事者同士における協調的交渉とは何かを学びました。

模擬交渉あり、グループディスカッションあり、とにかく体を使い、私たち人間の多様性、多様性を認識した上でのコミュニケーション・スキルを体感しました。


ネタばれになるので詳細はお伝えできないのが残念ですが、二日間のマスダメモを記します。

・コンクリフトをなくすことはできない。それならば、コンクリフトの肯定的側面を認識し、積極的に関わろう!
・コンフリクトの肯定的側面は、「相手をより理解できること」「自分が分かること」。

・Win-Winの関係を作るためには、「相互の信頼」「丁寧なコミュニケーション」「発想の転換」が重要。表面的なWin-Winに気をつけろ。

・ポジションに囚われるな。相手のニーズに着眼し、問題の再焦点化を図ること。
 「Aもニーズできて、Bもニーズできるにはどうしたらよいか」に当てはめろ。
・再焦点化できたらブレーンスト-ミング。頭に嵐を起こせ!
・最終決定にはリハーサルが必要。あらゆる事態を想定して備えろ。

・怒りの根源は「承認要求」がほとんど。

・情報の提供は、客観的事実を表現すること。

感情のパラフレーズは相手に共感を与える。

失敗を恐れるな!

どうでしょう。
このメモだけだと何がなんだか分からないと思いますが、有香先生のワークショップに参加すれば共感してもらえるハズ。
みなさんも、コンフリクト・マネジメント・セミナーに参加されてはいかがでしょう。

有香先生からエネルギーをもらえますよ!
私は逆に吸い取られてしまって、今日は仕事になりませんでした(泣)
・・・・・冗談です

2009年7月10日金曜日

調停センターふらっと運営委員会開催!

 運営委員の赤松です。
 今日は、静岡県司法書士会において、「調停センターふらっと」の運営委員会が開催されています。
 副センター長の名波さんや事務長の芝さん、運営委員の増田さん、中里さん、井上(尚)さん、井上(史)さん、登山さん、池谷さん、鈴木さんもいます。
 運営委員会では、「調停センターふらっと」を、どうやって皆さんに知ってもらうかということや、今までに寄せられた相談や問い合わせの内容の分析がなされました。
 行政機関との連携を図ることや静岡県司法書士会内においても「総合相談センターしずおか」との連携など、検討していかなければならないことが山積みです。
 これから運営委員が、マスコットキャラクターの「ウィンウィン」をもって、各地に伺うことがあると思います!
 もちろん、話し合いのお手伝いをする「調停人」のトレーニングもかかせません。調停人に対する今後の研修計画も具体的に立てられました。
 
 「裁判にはしたくないけど、このまま放置できない…」という悩みがありましたら、お気軽に「調停センターふらっと」にお問い合わせを!!

2009年7月9日木曜日

『感情』と『話し合い』

はじめまして、運営委員の鈴木修司と申します。
毎日、ジメジメとした蒸し暑い日が続いていますね。

先日、私の事務所に挨拶に来た依頼人が「こう毎日雨ばかり続くと気分が晴れませんよ。」と言っていました。その方は、雨で仕事が休みなので立ち寄ったとのことです。

天候と感情・気分とは密接に関連しているということを聞いたことがあります。その依頼人の気分が晴れない原因が雨のせいなのか、あるいは雨で仕事がないからなのか、その真意は不明ですが、感情的にネガティブになっていました。


さて、私たちは、個々の性格や気質に関係なく、ポジティブな感情なときもあれば、ネガティブな感情に陥ることもあります。感情は、いつでも、どんなときも存在し、私たちの行動や思考に大きな影響を与えます。

紛争当事者は相手方に対し、怒りや不満、嫌悪、苛立ち、恐怖、嫉妬など様々な感情を抱いています。その感情は、本来の争点に加え、相手方の話し方や態度によってさらに増大していくこともあります。また、時にはその感情を強めている原因が相手方の問題だけでなく、自身の側に問題があることもあるかもしれません。 そのような感情を抱く原因を理解することはなかなか難しいものです。

ところが、双方が話し合うことにより、怒りや不満、苛立ちなどの感情の原因をお互いが分かりあえることがあります。話し合いにより自分自身の感情が変化していくことに気が付くこともあります。
もちろん、感情は理屈ではありませんので、話し合いを重ねても理解し合えないこともあるでしょう。ただ、それは話し合いの結果ですからお互いが一歩先の段階へと進んだことになりますよね。

調停センター「ふらっと」では、紛争当事者がお互いに話し合うことにより、解決の糸口を見つけるお手伝いをいたします。
裁判手続きは、紛争が客観的かつ画一的に解決しますが、解決によって紛争の争点や相手方に対してポジティブな感情を抱くことは少ないと思われます。


お互いが向き合って話すことにより、よりポジティブな感情が生まれることが期待できるのです!

2009年7月1日水曜日

熱を解かせ!

運営委員の井上尚人です。
今日は「緊張をほぐすこと」「怒りを冷ますこと」について、お話ししようと思います。

私たちは、調停についての勉強会を月に1回くらいのペースで行っていますが、冒頭「アイスブレーク」というミニゲームを行っています。
これは、見知らぬ人との緊張をほぐしたり、逆に勉強を始める準備として参加者を暖める意味を持っています。
もちろん、運営委員同士は顔見知りなので敢えて緊張をほぐす必要はないのですが、スクール形式の研修会などに比べて、アイスブレークを行うとより活発な意見が出るようになるのです。不思議ですね。

この「緊張をほぐす」という考え方は、調停時の「クールダウン」にも通じます。

私たちが日々行う法律相談において感じるのが、相手方への不満、嫌悪、怒りです。「どうしてこちらの言い分が理解できないのか・・・」と相手方へのイライラがつのり、さらにお怒りになる方も多いです。
抱えているトラブルについて、もはや相手方と話し合うことができないまでに険悪な関係になってしまっていることも、あります。

ただ、私たち調停センターは「お互いが話し合ってトラブルを解決する」ことを目指しています。
調停当日相対した当事者の皆さんは、相手に対する嫌悪や緊張で固く、堅くなっています。怒りで熱くなっています。今まで対立していた相手を前に冷静でいろというのが無理なのかもしれません。トレーニングを重ねた私たち調停人ですら、これから始まる真剣な話し合いをいかに進めていくか緊張感をもって迎えるのですから。
このままでは、自分の考えを整理して話すことはおろか、相手の方が話していることも整理して聴き取ることは難しいですよね。

そこで、私たち調停人は、調停冒頭で時間をかけて調停のルールを説明したり、お互いの呼び名や着座位置の確認など、しっかり時間をかけて話し合いができるような環境作り、場の緊張を解きほぐすように努めています。これが「クールダウン」です。
クールダウンは、話し合いが白熱してきたときなど、意図的に休憩を取ったりして調停中も行います。

トラブルを抱えていると、どうしても「怒り」「嫌悪」「ストレス」がたまります。
でも、感情に任せた発言は話し合いを混乱させてしまいます。感情の高ぶりを廃しトラブルの原因を見つめてみると、思いのほか自分と相手を冷静に見つめることができるものです。

熱を冷まし、緊張を解くこと、「熱を解かせ!」でした。

2009年6月24日水曜日

ウインウイン君誕生秘話(?)

運営委員の山田です。ふらっとのマスコットキャラクターである,ウインウイン君のキャラクターデザインを担当しました。ということで,今日は,ウインウインの誕生秘話について書いてみたいと思います。

昨年,オファーを受けた時点では,グロテスクなキャラクターは禁止という程度で,私が”ふらっと”のコンセプトを理解していると信頼してもらったのか,ある程度自由にデザインに取り組ませていただきました。

日常業務で訴状を起案する作業も苦しいですが,右脳も駆使するキャラデザは私にとっては,同等かそれ以上に苦しい作業です(もちろん,やりがいはありますが)。

コタツに入り,お茶をすすり,モーツァルトを聴きながら,エンピツを握り締めてうなります。・・とにかく「ゆっくり話し合いができるところ」だということと,「紛争の当事者がどちらが勝ちということもなく,双方が納得して解決に至ることを目的とする」ことがわかるようにすること,柔らかいイメージを持たれるもの,これらコンセプトを左脳に置きながら,右脳で画像を創造していく作業に入っていきます。

キャラデザ用の紙には,いろいろなキャラクターを走り書きしていきます。丸みを帯びたフォルムのキャラクター,つぶらな瞳をしたキャラクター,”ゆっくり”をイメージする動物・・象・・亀・・カタツムリやナメクジ・・ナマケモノ・・Win-Winをイラストで表すにはどうするのか・・


彼是作業開始から3時間は経過し,用紙には様々なキャラクターが描かれています。・・でもどれもイマイチ,パッとしません。このときの胃からこみ上げてくるような焦燥感・・煮詰まったのです。
・・ということでこの日は作業を中止しました。

翌日も,いいアイデアが浮かびません。気分転換に家族とソバ屋に行くことにしました。
ソバを注文後も,うなります。・・ところが,ここで突然,閃きがきたのです!
(前夜の思考過程や,キャラデザに参加した妻のイラストの一部なども頭にあったのかもしれません)

忘れないうち!!と慌てて,ソバ屋の箸袋にイラストを描きつけます。

こうして,突如私の右脳に現れたのが,ウインウイン君だったのです。

すなわち,ウインウイン君はソバ屋さんで誕生したのでした。

2009年6月23日火曜日

行政相談窓口相談員・司法書士合同ADR市民公開フォーラム

こんにちは。事務長の芝です。
表記フォーラムを昨日、司法書士会館で開催し、22名のみなさんに
ご参加いただきました!


みなさん、真剣にワークに参加していただいています。



模擬調停を演技中



演技にも熱が入ります。演技にも高評価をいただきましてありがとうございます!







1.開会の挨拶
2.実演「ADRってなに?」~評価型・妥協要請型・自主交渉援助型の3つを比較・実演
  「裁判所の調停と何処が違うの?」
  「”ふらっと”の話し合いはどうやって進むの?」
  そんなみなさんの疑問に、寸劇を通してわかりやすくお答えします!
3.ふらっとの調停~利用相談から申込み、調停まで~
  手続きの疑問点等にお答えしました。
4.質疑応答

いろいろな質問もいただき、私たちも今後の参考になりました。
フォーラム後「わかりやすかった」と概ね好評のご意見をいただきまして
ほっとしているところです。
このフォーラムを足がかりに、多くのみなさんにふらっとを知っていただき
利用していただけたらと思います!!

今後も精進します!!

2009年6月19日金曜日

対話のチカラ

皆さん、はじめまして。
運営委員の鈴木と申します。どうぞ宜しくお願い致します。

今年の3月、しずぎんユーフォニアにおいて、さわやか福祉財団理事長で弁護士の堀田力先生による「対話のチカラ」についての基調講演が行われました。

その講演を聞いて、対話の力をつけるには、まず相手の話をよく聞くことが大事なんだなぁと思いました。

例えば、相手が話をしている時に、まだ十分に相手の話を聞いていないのに、その内容を批判したり、決め付けたりすれば、相手は「自分の話を聞いてくれていない。」と感じ、不愉快に思うかもしれません。
また、相手によっては、どうせ話を聞いてくれないのなら、もう話をするのをやめようと思ってしまう人もいるかもしれません。
そうなってしまうと、話し合いで解決しようとしても、なかなか話が進まなくなってしまいます。

日々、お仕事をしていると、様々な人達に出会います。
もちろん、自分と近い価値観を持った人達もいますが、むしろ自分と異なる考えや価値観を持った人達にお会いする方が多いように感じます。
自分と考えの異なる人とお話していると、話が噛み合わなかったり、不安になって動揺してしまったりする時があります。
自分と価値観の近い人と話しているほうが楽だなーと感じる時もあります。

けれど、だからと言って、みんな同じ意見、同じ価値観じゃつまらないですもんね。
色んな個性や価値観があるから、面白くもあり、それゆえに衝突もありますが…、それでも様々な個性や価値観に触れることで得られるメリットの方がずっと大きいのではないかと感じます。

さて、堀田先生のお話を聞いて、私は次のことを心がけようと思いました。
・相手の話に耳を傾けること
・相手の個性を認めること
・たとえ理解できなくても受け入れること

…どれも難しいです。特に話を聞くって簡単そうで難しいと思います。
すぐには達成できないと思いますが、毎日少しずつ積み重ねて行こうと思います。

拙い文章にお付き合い下さりありがとうございました。
これからも、宜しくお願い致します。

2009年6月18日木曜日

南山大学・人間関係講座での気づき

 みなさんこんにちは。運営委員の池谷(いけがや)です。
5月30日(土)と31日(日)、南山大学の人間関係講座(グループ)を受講してきました。
シバ事務長の受講案内と、JMC講座で知り合った愛知県の高校教師の方の勧めもあって受講することになりました。
 この講座のねらいは、
①グループの中で他者と関わる自分の特徴に気づく
②「コンテント」(課題あるいは内容のこと)と「プロセス」(そこにいる人と人との間で起こっている事柄のこと)とは何かを理解する。
③グループの中での人間関係(グループプロセス)に目を向ける重要性に気づく
でした。
教育関係の方が多かったのですが、民間企業や士業の方も参加され、楽しい雰囲気で受講することができました。。

 その中で、「実習・ブロックモデル」と題するグループワークがありました。
6名づつのグループに分かれ、与えられたブロック(形の違った数種類のもの)を使用して、モデル(かなり複雑なブロックモデル)とまったく同じものを作るというものです。制限時間45分で6グループが得点を競うというものでした。
 結果的に私たちのグループが最高点を獲得しましたが、私たちは、話し合いの中で、複雑なモデルを3つに区分し、それぞれに男女ペアの2人の担当者を配置し、ペアが共同で観察し、情報交換しながら、モデルの形を描き、次に区分された3つのモデルを組み合わせて全体の形を作り、最後に全体について、6人全員が情報交換するという手法を採りました。組み立て作業には、それほど時間はかからず、ほぼ完璧な形で仕上げることができました。

 振り返りの中で気づいたこと、再発見したことは、
①グループは適当な少人数がよいこと。多人数だと参加しない(できない)人が出てきてしまうこと。
②グループの中でそれぞれの役割分担を明確にすること
③グループの中の他者を理解し、コミニュケーションを充分取ること。(取れる組み合わせにすること。)
などです。

 私たちは、職場やサークル、家族や友人関係など、常にグループの中に身を置いています。その中で他者の気持ちやお互いの関係に目が向けられず、いつの間にかトラブルや紛争に発展することが考えられます。「ふらっと」がそんなトラブルや紛争の予防、解決の一助となれば、と期待しています。

2009年6月16日火曜日

ケースマネージャー養成講座



名波さんと芝が講義しております。



みなさんからの意見。参考になります!



真剣に受講中











みなさん、こんにちは。事務長の芝です。
梅雨入りしてじめじめした日が続いていますね。いかがお過ごしですか?
梅雨といえば、梅を漬ける季節!我が家では日本酒と焼酎で梅酒
を造りました。飲み頃は1年後です。まだまだ先です。

さて、先週末の6月14日(日)東京・大田区産業プラザPIOにて、
ふらっとの芝、名波、増田が「ケースマネージャー養成講座」の
講師を務めて参りました!
朝10時から夕方5時までの長丁場です。
この講座は「全国青年司法書士協議会」という若手司法書士の集まる
組織が主催しているもので、青森、札幌、愛知などなど全国から
20名の方々に参加いただきました。

ケースマネージャーとは、相手方を呼び出し同席してもらうまでを
プロデュースする方で、当事者にメディエーションの趣旨をわかって
もらう、期日間の調整をする、事務管理をする・・など、非常に重要
で必要不可欠なポジションです。「相手方が出席し同席したら70%
は合意する」とも言われているように相手方を呼び出し同席に応じて
もらうことは非常に難しいことです。
海外では経験豊富な方がこの役目を務めることが多いようですが、
日本ではまだそんな経験がある人がいるわけもなく、創意工夫をして
やっていくしかありません。ケースマネージャーを行う上での問題点や
最低限考えておかなければならないことを網羅した講座を組みました。
参加したみなさん、いかがでしたでしょうか?
まだまだ進化しながら、継続できたらと思います!!

今回もウィンウィン君が大活躍でした。
県外で有名になる前に、県内で有名になりたい・・・・byウィンウィン

あ、耳が痛い・・・。そうですね。精進します!!

2009年6月12日金曜日

紛争を解決する手段としての「ふらっと」のメリットは?Vol.1

 センター長の小澤と申します。ようこそ「ふらっと」のブログへ。これから、運営委員がこのブログも運営していきますので、どうぞよろしく。

 さて、司法書士の事務所には、日々、様々なトラブルが寄せられています。

 平成14年の司法書士法改正に伴い、簡易裁判所における代理権が認められるようになってからは、特にこの傾向が強くなっています。

 借金の整理に関するものや、夫婦間のトラブル、親子間のトラブル、知人間のトラブル、お隣同士のトラブル、交通事故に関するトラブルなどなど・・・・そして、それらのトラブルに巻き込まれた方が望む紛争解決手段も多様であります。

 一方、司法書士事務所に寄せられるトラブルは、金銭的に比較的少額なものが多いこともあって、いきなり「訴えてやる!」という事案は少なく、話し合いによる解決を希望されるケースが少なくありません。

 つまり、話し合いによる解決を希望される理由の一つは、「裁判手続をすれば、解決までの期間も長くなりそうだし、そうであれば代理人の費用が高くつき、勝訴して回収できたとしても、自らが得ることのできるお金が大きく目減りするのではないか?」というものであると考えられます。

 また、「裁判という手段は、いかにも大袈裟で、敷居も高い。勝ったとしてもしこりが残るだろうし、出きるだけ穏便に解決したい」というのも、大きな理由の一つであろうと思われます。

 そうだとすれば、「費用が低廉で」「迅速で」「敷居が低く」「しこりが残らない」紛争解決手段が、一般に求められているといえるように思います。

 ふらっとでは、裁判手続や裁判所における調停手続とも違った紛争解決を目指し、その場を提供したいと考えています。このブログでも、具体的にどこが違うのか、また、そのメリットは何か・・・・ということについてご紹介していきたいと思います。

 続く・・・

2009年6月10日水曜日

初めまして!!

みなさん、こんにちは。
事務長のシバです。
ふらっとのブログを開設しました。
今後はみなさんとの交流や情報提供などコミュニケーションを
とれたらいいなと思います。

お気軽にコメントいただけたら嬉しいです!!

どうぞ宜しくお願いします。