2010年4月23日金曜日

自転車と私

 初めまして。調停人候補者の本木敦です。


 私は浜松市北部に住んでいます。事務所は浜松駅の近くであり、家からの距離は約10キロメートル程度です。私は、この距離を自転車で通っています。私は、どちらかと言えば、自転車が好きな部類に入ると思います。もっとも、自転車のパーツを自分で交換したり、改造?するような技術はありません。パンクが直せる程度です。しかし、私にとって自転車は、幼稚園のころから身近な存在で、自転車をこいで遠くに行くことが好きでした。高校時代、受験勉強に煮詰まって浜名湖を一週したことは数え切れません。その自転車好きが講じて、学生時代には札幌市から浜松市まで自転車で走破したこともあります。


 学生時代、陸上部に所属した私としては、自転車はただ前に進む道具ではありません。前提として、速く移動するためのマシンです。事務所までの距離も日々時間を計り、ベストタイムを更新することを目論んでいます。もちろん交通法規遵守のうえのことですが。


 毎朝、私が自転車にまたがると、スポンジが水を吸収するように、私の血も全身を駆けめぐります。アドレナリン大放出です。そして、少し進むと自転車の状態がよく分かります。そこに言葉を介在しなくとも、多くの情報を自転車は私に教えてくれます。タイヤの空気圧、チェーンの油などじっくり見なくとも、二三こぎすればだいたいのことは分かります。その後、私は自転車のハンドルを強く握り「今日も頼むぞ」と念じ、力強く自転車をこぎはじめます。それに応えるように自転車と私は、速度を上げていくことになります。


 事務所までの道中には、この信号を青になった直後に超えたら、次の信号を青で通過するためには全速力で駆け抜けなければならない、といったポイントがあります。10キロメートルの行程には、そういうポイントがいくつか存在します。逆に、信号が黄色になったときなどは、速くこいでもゆっくりこいでも止まることにはかわりがないので、休憩に充てることになります。休憩と全速力をうまく組み合わせていくと、自動車で移動するよりも速くなります。


 私は、自転車から見える情報を整理し、判断します。それを自転車に伝え、自転車はそれに応えて、前進したり、曲がったり、停止したりします。しかし、私から自転車へと一方通行が行われているわけではありません。自転車が私に伝えてくれる情報(タイヤの空気圧、チェーンの油など)がなければ、私は安心して自転車をこぐことができません。自転車と私には、言葉を介さずとも、十分な対話があると思います。


 今朝もこのような時間を経て、仕事を始めました。残念ながらベストタイムはでませんでした。

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