2013年12月8日日曜日

忘年会シーズン真っ盛り

  忘年会の起源は鎌倉時代もしくは室町時代に遡るそうです。当時は「年忘れ」と呼ばれる会で、お酒は飲んだもののメイン行事は和歌や俳句を楽しむ厳かなものだったと言われています。

 現在の忘年会のかたちになったのは江戸時代で、庶民が1年間の憂さを晴らすため、親しい人たちが年末に酒を酌み交わすようになったのがルーツのようです。庶民の話ではありませんが、忠臣蔵の討ち入りが成功したのは、大石内蔵助ら赤穂浪士が吉良家の情報を集め、年忘れの茶会後の寝込みを襲ったからだということです。

 忘年会といえば「無礼講」という風習。鎌倉時代当時は現在と違う意味で使われたようです。公家社会の宴席では席が偉い順に決まっていて、一度その座に座ると席を移ることはせず、宴が始まると上から順に杯が回され、一巡すると「一献」、二度目が「二献」などと言って続いて行くようです。ところが、かなり時間がかかることから、そう言ったしきたりを無視した後醍醐天皇たちの酒宴では、自由に席を立ち、酌をし合ったようにしたので無礼講というようになったそうです。元々の意味は、「本来座席を立ってはならない参加者が席を立ち、酌をすること」を言ったようです。

 現在では、新人や後輩が上下関係を忘れて飲んでしまい、無礼講だからと言って上司に失礼なことを言ったり、会社の悪口を言ったりしても許されるという意味で使われていますが、その場では許されても、明日はちょっと顔を伏せたくなりますね。

いまでは、無礼講を許す、心の広い人が多いと思いますが、考えてみれば、酒の勢いを借りて、上下の関係なく接し、普段あまり会話をしない人たちがコミュニケーションをとりながら理解を深める絶好の機会ですよね。

 
池谷道男

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