2014年4月1日火曜日

なにかを、求め始める


カンボジア


「あなたは、なにを求めますか」


調停の場で、調停人が投げかける言葉だ。調停の緒についたばかりでも、調停が、膠着した場合でも、仕切り直した場面でも、あらかた言い分が出そろった感がある場面でもいい。

当事者が、「なにを」求めているのか。目の前に座っている、調停の相手方に対してだけではなく、もともと、自分が「どうして」この場にいるようになったのか、深く「自らに」省みるなかでも、本来、そして本当に「なにを」求めているのか、それらが明らかになると、調停は加速するのだと思う。

「あなたは、なにを求めますか」

この言葉は、レトリックでも調停人のテクニックでも、ない。シンプルで深淵をつく。

わたしの外に、わたしを見渡す「わたし」がいて、その調停人の「わたし」が、悩めるわたしを調停してくれたとする。

―なにを、求めているのか―

見慣れた場所、人間関係、会社、この日本、膨大なありきたりの日常からは離れて、自分が、何を求め、どこへ向かおうとしているのか。


もう少し、わかるような気がする。

浜松・衞藤

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