2015年10月27日火曜日

負けリスクの回避

“ふらっと” の売りのひとつが「話し合いによる解決」。
訴訟により解決策を押し付けられるのではなく、自分たちで解決策を模索したいというニーズに応えていこうというのが、“ふらっと” の理念でもあるわけだ。

私自身、受任事件について訴訟ではなく “ふらっと” を選択したケースが数件ある。
このときの選択の基準は、やはり「話し合いによる解決」を依頼者が希望したという理由もないわけではないが、むしろ「話し合いによる解決」を選択せざるを得ない状況だったことの方が大きい。

というのも、訴訟に勝つためには「立証責任」というハードルがある。
事案ごとにいくつかの立証というハードルをきれいに飛び越えて判決というゴールにたどり着かなければならないわけだが、途中、ひとつでもハードルを倒してしまう(つまり、立証に失敗する)と、負け判決を甘受しなければならない・・・  これが、訴訟の基本ルールだ。

“ふらっと” を選択した事案は、いずれも証拠がなく、立証責任を果たすことが極めて困難な事例ばかり。もちろん、和解狙いの訴訟選択もありうるが、相手が和解に応じない場合には、負け判決が下される可能性が高い事案だった。

訴訟の勉強をしていると「うまく負ける」なんて言葉を耳にするが、私たちは、いわば負け方の一手段として “ふらっと” を選択するケースもあるのだ。
                                            (中里) 

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