2011年10月24日月曜日

傾聴=経験則?!

「人の話を聴くようになった。」
年齢を重ねたことで一番自分が変わったと思うことです。

私は人に対しては自分の考えをどんどん述べるのですが、
人の話に耳を傾ける事が苦手です。特に若いころはそれが顕著でした。

しかし、経験を重ねると、それではうまくいかないことがだんだん
わかってきます。相手の話を聴いて自分の主張と照らし合わせ、
譲るところは譲り述べるところは述べる。
自分の主張を通すよりは、早期に話がまとまることが多い。
その経験則の積み重ねによって、どちらが自分や相手に利益となるか、
だんだん衡量ができるようになるのです。

「高校生でもいいかげんわかることだろう。」
そんな指摘を受けそうですが、私が未熟なのか、大人になっても
なかなかわからなかったんですよ。
紛争状態で冷静な感性を持ち合わせていない当事者にとっては
なおさらです。

調停のトレーニングの基本は傾聴であると言います。
数年前、まだADRが普及していないころ、ある人にメディエーション
とは何ですかと尋ねたところ、「人の話を聴くこと」と明快な回答を
いただきました。

なるほど。
でも難しい。傾聴のトレーニングが必要です。
今でもなかなかできていません・・・。

しかし、私は自分の人生に照らし合わせ、発見したのです。
傾聴トレーニングとは、本来経験則で見いだすべきノウハウを、
ログラムされたメニューによって一足飛びに学ぶことだと!
本来、習得には月日が必要なノウハウであって、短期にマスター
すること自体ムリをしているのだと!



・・・というのは、半分冗談で半分本当です。
しかし、調停人のノウハウとは、昔は普通にいた近所の世話焼きな
おじさんおばさんが当然身につけていたノウハウなのではないでしょうか。
その極意は経験則なのです。

                            井上尚人

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