2015年2月23日月曜日

人間魚雷「回天」の元搭乗員


 先日、静岡市葵区にある通所リハビリ施設を訪問し、相談を受けてきました。入所ではなくて通所施設なので比較的会話の出来る人が多かったように思います。

最初に人権についての話しをした後、相談を受けることになりました。相談の最初の人、年齢は90歳の男性。「自分は海軍に所属していたが、在籍期間が短いので軍人恩給がもらえない。たった2~3か月しか足りないだけなのに全然もらえないのはおかしい」と不満から始まりました。

驚いたのは、その後。海軍でも在籍していたのは海の特別攻撃隊、人間魚雷「回天」の搭乗員だったという。志願して入隊したが、たまたま病気に罹って出撃しなかったという。同じ海軍特攻隊でも航空機で敵艦に体当たりする神風特攻隊とは違い、潜水艇に乗り込み敵艦に体当たりする人間魚雷だ。出撃したら二度と生きて帰れないという。

その男性、最初は軍人恩給の話しだったが、すぐに人間魚雷「回天」の話しに移り、最後までその話しに終始した。当時の厳しい訓練の話し、出撃して死んでいった仲間の話し、生き残って最近まで連絡を取っていた戦友がいたが、もう一人もいなくなっていったという話しなど。本当に一生懸命、話しをされていた。

この人は相談をしたかったのではなくて、その当時の苦労話しを聞いて欲しかったんだなあと感じました。でもこの世代の男性って話しを聞いてくれる人が周りに少ないから余程話しをしたかったんだろうなあと思いました。それにしても、70年前の戦争体験、しかも数少ない人間魚雷の元搭乗員の貴重な話を聞くことができた。たまにはこういうこともいいなあ。

ふらっととは関係ない話しでしたが、いい体験でした。

池谷 道男

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