2016年4月13日水曜日

ある朝


朝起きて、カーテンを開けた。晴れでも雨でもなかった。どんよりした曇天でもなく、強いていえばうす曇りといったところか。あまり描写の言葉が浮かんでこない。顔を洗い、食卓についた。茶碗には冷えた麦飯。いつかのテレビ番組で、米と麦を半々の割合で炊いた麦飯がダイエットに良いといっていたので、盲目的に取り入れている。おかずは梅干し。私の姿を見た看護師が反射的に「梅干し食いな。」といったので、これも採用。朝食を終え、用を足し、朝シャン。身体をふき、衣紋掛けにかかった干したままのシャツに袖を通す。「さぁ!」とも「ふぅ…」とも思いつつ、老母に「行ってくる。」と告げ、玄関を開ける。背中から「パン…ひる、ちゃんとしたものを食べなよ。」の声が聞こえてくる。

田んぼの中の一本道を通って仕事場へ向かう。脇に広がる田んぼはまだ茶色。ぼんやり目を向けると、たたずんでいる真っ白な鳥が一羽、目に飛び込んできた。と、その瞬間、足元の黄色や紫の花に気が付く。「昨日も咲いていたっけ?」、覚えていない。

仕事場に着く。薄暗い。警備を解除し、踊り場でタバコを一服。アパートだと、隣人がわざわざ大きな音をたてて窓を閉める。いつの頃からか、仕事場でタバコを飲むことが多くなった。メダカに餌をやり、靴下をはき、半ズボンから長ズボンにはき替える。椅子に腰を下ろし、パソコンをのぞき込む。数えきれないメール。迷惑メールを削除しつつ、知り合いからのメールに目を通す。と、「あぁ」と気がつき、電気をつける。まだ誰も来ない。

小楠
 
 

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