2016年7月6日水曜日

~利用者からみた日本のADR~



休日、昼下がりの美容院の椅子でうとうとしていたら、「生まれて初めてあんなに感激した!」という隣の女性の声が耳に飛び込んできた。

(へえ、生まれて初めての感激って・・・何があったの?)

 

 

「平等院に行ってきた。親が一度行きたいっていうから、行ってみようかって何気に行ってきたんだけど、人間の欲ってすごいんだね。昔も今も変わらないじゃんと思ったら、私の人生なんでほんとちっぽけな感じ、ぐちゃぐちゃ言ってる暇なんてないじゃんって思っちゃて・・・」

(んん、感激したのはわかるから、その理由をはしょらないでね・・・平等院といえば、あの10円硬貨の?はるか昔に小学校の修学旅行で行ったかしら?)と、私の心は京都の宇治へ旅立ったのである。前置きはこれくらいにして、本題に。

 

 5月、立命館大学で開催された日本法社会学会の学術大会に、外部者として参加してきた。その中で「利用者からみた日本のADR」のミニシンポジウムが開催されていた。  

 

主要な弁護士会ADRセンター及び日弁連交通事故相談センターの利用者に対して実施した質問票調査の結果の紹介と分析結果を踏まえた、ADRの利用向上と手続・制度の改善に資する研究発表である。

調査の対象や方法といったリサーチデザイン、利用者がいかにしてそのADRの手続の存在を知り利用に至ったのか、内容別の分析(医療紛争、建物賃貸借紛争等)と当事者のニーズを探りそれを踏まえて手続実施者への教育や手続設計のあり方の検討(ADR研修でお世話になった入江先生の研究)、当事者のADRに対する期待と評価、利用者の満足はどのような要因に基づくものかの分析、手続に対する当事者の結果に対する反応とその要因等、ADRの今後の取組みへの課題がいろいろな視点から研究されていた。

 

 ふらっっとにおいて、分析とその結果の公表(ふらっとのHP)は、利用促進の効果があるかもしれない・・平等院参道のかわいいお姉さんの入れてくれた抹茶ビールを頂きながら、身も心も静岡に戻ったのである。

          2016.7 御室



 

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